22



小さな音がした。未来が変わった音。
それをともだちに伝えれば、なまえさんに教えてあげて!と返ってきました。今日、ともだちが遅れてくるのは、わざと。彼女は、わたしじゃダメ、だと言う。
確かに、2人は、あまりにも似ていません。友達というには、違いすぎて、最初に紹介された時、とっても驚いたのを覚えています。だからこそ、彼女だから伝えられる言葉もあれば、そうじゃないことも、あるのですね。
自分には出来ない。自分とは違う。と距離を置かれてしまえば、何一つ、伝わらなくなってしまうものだから。ワタシの聞いた音は、ワタシが伝えなくてはいけない。



ワタシのお気に入りの料亭に既に到着していたなまえは、ワタシの姿を見て、ほっとしたような表情を見せた。ああ、きっと自分の格好を気にしていたのですね。本当に、シンパイショウな女性です。必要であれば、ともだちがそれを伝えないわけがないのに。
勿論、それは人それぞれの個性。ダメなわけじゃない。ネガティブだと称される人たちは、細かいことまで気を配れる証拠でもあります。ポジティブだけが、正だとされることが多いけれど、それは違う。
どちらも、必要。自分の中に、どちらも備えていなければ、いけない。それは、バランスというものです。この国では、こんなことを教えてもらえる機会が少ないのですね。明るいことだけがいいように描かれるけれど、違う。何より大切なのは、バランス。
この結論を一人で見つけるのは、難しい。だからこそ、彼女のように悩んでしまう人が多いのは、事実。

けれど、しばらくぶりに見る彼女は、確かに、以前と雰囲気が少しだけ変わった気がします。表情にも、余裕があるような。言葉も、ちょっと違う。ああ、だから音が変わったのかもしれませんね。


「So, something happen?」


じっと彼女を見つめてみれば、色んなことを思い返すかのように、一呼吸おいて、答えが返ってきた。
色々あったのでしょう。聞かなくても、分かっていました。それでも、彼女自身に、答えてもらう必要があった。なぜ、自分が今、そうなのか。本当は、彼女が知っているはずのこと。
自分と向き合うことが一人で出来ないのであれば、人を介してするしかないのです。向き合う時間は、とても大切。
ほら。だから、また音が変わりました。

多くの人は、知らない。全ての物事には、”許可”が必要だということを。
目に見えないものを信じますか?
日本には、昔からある大切な教えです。アグナにも同じ教えがある。神と呼ばれる彼等を、この国では神社というもので祀り、長い間大切に守ってきました。
その彼等の許可を、ワタシ達は必要とする。そして、その許可を得たことを、ワタシは音が変わったと表現します。
おかしい?思ったことが叶うはずだと、思いますか?そうですね、みんな、そう言います。それは、確かに事実。だけど、許可がなければ、叶わない。思ったことを叶える人たちは、まず、許可を得ているのです。
誰しもが、成功したいと思い、努力する中で、成功する人は、決まっている。お金持ちになる人も、自分の恋を成就させる人も同じく。みんな、努力していないわけじゃない。努力しているのに、叶うと心から思っているのに、叶わない人がいるのはなぜ?
ワタシ達は、それを”許可”がない。と言います。許可の範囲でしか、叶わないことを知らずに進もうとして、進めるわけではない。
目に見えない彼らの許可、自分自身の許可、そして周りの許可を経て、未来は変わる。一つ一つの積み重ね。どうしたらいいのかも、人それぞれで、答えが一つではありません。だけど、それを超える必要があることが、事実。
これは、誰も教えてくれない、この世界の真理。なぜなら、本当のことは、いつだって隠されるものでしょう?


「Do you trust me?」


アナタは、この問いに、今、Yesを返せる。
だから、アナタは、許可された。未来の音が、変わったのです。
Don't worry, princess.




(信じる、そうね、信じてみたいの。)(アナタが望むのなら、出来ます。)(どうすればいいのかも、分からないけど...)(最初から分かる人は、いません。でも、そうしたいと思わなければ、目の前に、扉は現れないのです。)(扉?)(Yes, 世間では、パラレルワールドと呼ばれることの方が多いかもしれません。)(パラレル、ワールド...。まるで、SFやファンタジーね...?)(Non, It's real. 未来は、決まっていない。いつも、無数の未来が存在しています。その扉は、突然現れたり、消えたりするけれど。)(本当に?)(もちろん!なまえ、この扉は、アナタの想いで、変化するのです。)
Love makes me Free.
(目をひらいて、怖がらないで。アナタのその想いが、全てを変えたのだから。)








back/top