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あっという間に、学年末試験なんてやってきたと思う。
早すぎ、そう、文字通り早すぎよ、1年って。去年と比べて変わったことなんて、スラグホーンと会話が出来るようになったことくらいかもしれない。そう思うと、恐ろしいくらい変化がないわね、勉強以外に関しては特に。慣れてきたとも、言えるわ。

1年目のことを思い返してみると、ものすごく大変だった気がする。魔法界のこともよく分からないし、マグル出身ってのは、いいことも、悪いこともあった。
ホグワーツに入ったことは、後悔していない。今でも、最高の選択だったって、胸を張れるけれど、入学してから、少なからず、苦労はしたと思う。それを、苦労だってわたしの中では、認識しなくても。新しい場所に来て、新しいものを学ぶんだもの、カンタンじゃなかった。
まあ、まさか、13歳になっても、頭から雑巾を被ることは、予想もしてなかったわよ?分かってる、わたしが可愛い女の子みたいに、黙ってじっと耐えていれば、エスカレートすることもなかった。でも、最初は我慢しても、わたしの方が交友関係が多くなった今、彼等の言葉や行為に対する反論は、遠慮することはない。
純血主義なんてこの時代にはナンセンス、ホグワーツでも少数派だった。確かに、純血ってのは凄いのかもしれない。でも、だからって、相手を見下す態度は好きじゃないわ。
そう言うと、周りからは、スラグホーンだってそうじゃないか、と眉をひそめられた。確かに、少しは、そういうところがあるかもしれない。マグルには学ぶものがないとすら、言われたこともあった。でも、それ以上に彼は、スリザリン生であること、そして自分がスラグホーン家であることの立ち居振る舞いを、大切にしている。
それは、フリント達のようにわたしを見下す人達とは違って、一方的で傲慢な態度ではない。だから、彼とはどれだけ会話をしても嫌な気がしないのよ。アア、わたしが彼にお熱だってことを抜かしてもね?


「ナマエ!魔法史の試験、どうやってカンニングしたんだ?」
「俺達だって諦めたのに!教えてくれよ!!」
「失礼だわ!実力です!!」

試験結果を見たジョージとフレッドが冷やかすのも、無理はなかった。魔法史の成績がダントツひどいわたしが、今回はいつもよりもましだったんだから。奇跡ね?と周りも驚いた顔をするのは、気分がいいような気もする。
でも、よくよく考えたら、それってバカにされてるんだったわ!(そういえば、この間、馬鹿にされるくらいのキャラがちょうどいいわよねって話を、レイジとしてたの。わたし達って、周りからの扱いがちょっと似てるけど、それをあえて受け入れてることが、多いのかもしれない。だってその方が、楽しいし、うまくいくから。)

「数占いがパーフェクトは、アナタだけじゃない?」
「魔法史が出来ない方が、不思議だよね。」
「そう?歴史という過去より、人の持つ能力の方が興味深いわよ。」

人が影響を受けるのは、遺伝が10パーセント、環境が60パーセント、生まれ持ったものが30パーセントだと言われている。自分を変えようと思ったら、環境を変えるのが早い、というのはこの60パーセントを一気に変化できるからってことね。
数占いで分かるのは、持って生まれた30パーセント。これを聞いたときに、使いこなせたらかなり活用できるって思ったの。わたしにとっては、とっても興味深い学問だった。
だって、自分と向き合うことが容易になって、自分の潜在能力も把握できて、その30パーセントに合わせて、自分が環境を変えたら、相乗的な効果も期待できる、なんて、いいことだらけ!こういうところがあるのは自分だけだって気付いて、みんなが同じじゃないこともわかる。魔法とは違った意味で使えると思わない?
確かに、過去が今を作り出しているけれど、作り出されたモノよりも、わたし達がこれから先をどうしていくかに興味がある。歴史を知ることは、今のわたし達のベースを知ることにはなるかもね?でも、歴史がわたし達の未来を変えることは、ないのよ。歴史から学ぶことはあっても、それを教訓にするだけで十分だと思う。

「さあ、ランマル!レイジ!これで、賭けはわたしの勝ちね!」
「ナマエの火事場の馬鹿力が発揮された〜!」
「去年あれだけ悪い成績だったくせにな。」
「あら、アナタ達がわたしの実力を見誤ったんだわ。」

今年の試験は、魔法史のテスト結果で賭けをしていた。
わたしの試験が7割以上の出来なら、わたしの勝ち。それ以下なら、彼等の勝ち。念のため言っておくけれど、どちらでも選択できたのよ?わたしのことを信じなかった2人が悪いわね!
ちなみに、ジョージとフレッドはわたしの勝ちに賭けて、2人からちゃっかりコインをゲットしていたわ。そして、わたしとの約束事は、っていうと、

「本当にやるの?」
「何よ!乗り気だったじゃない!」
「キミが勝つとは思わなかったんだってば!!」

今更ごねてもだめよ、レイジ。往生際が悪いわ。まだランマルみたいに黙り込んだ方が、男らしい。顔色は悪いけどね!

「いいじゃない!デートのお誘いくらいしてきなさいよ!」
「キミ、これが自分だったらそんなこと言えてなかったくせに!」
「そりゃあそうよ!流石にまだデートは早いもの。」
「僕達はどうなるの。」
「アナタ達はいいじゃない、去年カワイイって言ってた先輩にちょろっと声かけるんだから、どーせもう卒業するのよ?」
「そういう問題じゃねぇ。」

わたし達の会話の内容に、アナタ達なんて賭け事してたの、とグリフィンドールの女生徒達に呆れられたのには謝っておくわ。言い出しっぺは、レイジよ。絶対にわたしが負けるって思ってたからだろうけれど、勝負事はいかんせん強いの。残念でした!

この後、二人がめちゃめちゃ駄々をこねた結果、観念したわたしが折れて、来年の魔法薬学のレポートと、魔法史のレポートの手伝いにしてあげることにした。
まったく、オトコに二言はないって言うのに。そんなんじゃグリフィンドール寮生としてふさわしくないわよ!とはいえ、わたしがもし負けていたら、スラグホーンをデートに誘える自信はないので、わたし達は結局似たようなものなのかもしれない。
スラグホーンをデートに誘う?ちょっと現状では考えただけで胃が飛び出そうね。だって、どんなことよりも、恋ってのはイレギュラーになるのよ、わたし達。そうね、まだまだ、おこちゃまって言って笑ってちょうだい。




(なんだ、結局デートに誘うのはなしになったの?)(そりゃあそうよ。2人には、お尻を叩かれたじゃない。)(別にわたしは、スラグホーンに似合うオンナって魔法史はよく知っているんじゃない?って言っただけよ。)(アタシも、教えるからには覚悟しない、って言っただけよ。)(どっちも酷かったわよ!色んな意味でね!!)(リンゴちゃんのスパルタなところ、初めて見たわ。)(あら、アタシはいつでも、厳しくするわよ。お望みならね。)(望んでない。)(なんですって、ナマエ。)(リンゴちゃんに厳しくしてもらえるなら本望〜!)(顔、引きつってる。)(そんなことないもん。)(でも、折角なら負けてデートに誘ってくればよかったじゃない。)(リンゴ、他人事だと思わないでよ。)(他人事でしょ?)(くそっ!なんだこの鬼!)(デートに誘ったら、案外断れないタイプだったりするんじゃない?)(アメリア、考えてみて?わたしと彼ってまだそういう距離感じゃないわ。ステップを踏ませて、ステップを。)(あら、じゃあ何人かから始めるのは、いいってことね?)(嫌な予感がする。やめましょう。)(何言ってんの、いい予感の間違いでしょ。)(ひゅ〜言うわねリンゴ。これで)(カミュちゃんとトキヤちゃんあたりを、ダイアゴン横丁のカフェに誘うわ、アナタも含めてね。)(悪い予感があたったわよ!?)(素敵ね!それがいいわ!もう少し彼と距離を縮めてもいいもの。)(ちょっと、待って?わたしのことは、無視じゃないそれ。)(無視してないわよ、早く夏休みのスケジュールを出しなさい。)(いや、そこの無視じゃなくって気持ちの、)(自分の気持ちが追い付かないとか、言い訳としてもっとも無意味なものしないわよね?)(殴るってリンゴの瞳が言ってる。)(気持ちを整えることが出来ないオンナは、いらないの。)(はい。)(せいぜい、もっと成長しなさいな。アタシの隣にいさせないわよ。)(オーディションされてるのかしら、わたし。)(ナマエ、その肌の調子でいたらクビだから。)(怖い、試験期間だったってのは、全く加味されない。怖い。)(当然でしょ、オンナならいつも美しくいなさいな。)(ハイ。)












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