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「えーっと、いま、なんて?」

珍しく早起きなんて、するものじゃなかった。
普段だったらありえないほど早くに目覚め、2度寝すら出来なかったのは、リンゴがデートなんて言い出したからに違いない。いつも目覚めの悪いわたしには、よかったのかもしれないけれど。だけど、今日ばかりは、なんていうか、タイミングが良いのやら悪いのやらよ。

誰もいない談話室に転がっているネビルを見つけた時は、一瞬状況が把握できなかった。誰かが、ペトリフィカス・トタルスをしたのは、間違いないだろうけれど、グリフィンドールの談話室で?流石に、彼にこんな悪戯をする人は、我が寮にはいないはずでしょう?

「だから、ハーマイオニーだよ!」

そうしたら、ネビルは信じられない名前を、口にするんだもの。
わたしが、再度聞き返したのは、仕方ないって分かってほしい。ようやく彼の話す内容で、何が起こったかを把握する。ハリーとロンとハーマイオニーが夜中出かけるのを止めようとしたら、ハーマイオニーに呪文をかけられた、って。彼が教えてくれた出来事に、思わず、この言葉が出てきた。

「アナタって、本当にグリフィンドール生の鏡ね!」
「ど、どうして?!僕は、グリフィンドールじゃ落ちこぼれだよ!ナマエ、キミが言わなくったって分かってる...!」

確かに、ネビルは一見、落ちこぼれに見える。ホグワーツ特急早々、自分のペットは見失うし、合言葉もよく忘れて、泣きそうになりながらドアの入り口にいることもある。マグルでもないのに、スリザリン生からからかわれてばかりで、一生懸命なのに、空回り。不器用な生徒だということは、否定できない事実だった。
だけど、そんな彼と同じことを、昨晩、どのグリフィンドール生もしちゃいない。

「アナタのその行動でそう思う人がいるなら、その人こそ、落ちこぼれよ。」

仲間だからこそ、向き合うことって必要。本音を口にすることも、必要。
でも、それが出来ない人がたくさんいて、本音を隠して、人前でいい顔をする人だっている。自ら人と向き合うことは、どんな勇気の中でも、特別。
我らグリフィンドール生に必要なものは、”勇気”であって、それを持つ人たちを落ちこぼれとは呼ばないのよ。創設者のゴドリック・グリフィンドールだって、そう言うはず。

ひとまず、今の話に、ハリーやロンやハーマイオニーの素行は、おいておくわね。
個人的に夜中の学校へ興味はないものの、好奇心が旺盛な彼等は出かけたかったのかもしれない。先輩のわたし達にとっては、見つからなければ、オーケーよ。ウィーズリーの双子なんて、何回そんなことをしているか分からない。
もちろん、規律も規範も大事。ルールは守るべき。でも、人を傷つけないなら、好奇心が勝ることだってあったっていいわよ。人は、失敗して学ぶことが多いもの。

「でも、見つかったら、グリフィンドールは減点になるかも!」
「あら、それで減点になる程度の点数しか、わたし達が稼げていなかったのだって、問題だわ。」
「み、みんながみんなそう言わないの、キミも知ってるじゃないか...!」

ネビルの言う通りだった。全員が全員、わたしと同じ考え方をするわけじゃない。むしろ、勝利にこだわるのは、我が寮のいいところでもある。でも、減点された生徒を、一々責め立てても仕方がないのは、本当は分かっているはず。
わたしが1年生の時、減点をされたことに、責める先輩もいれば、責めない先輩もいた。勿論、申し訳ないと思ったし、悲しい気持ちにもなったわ。わたしだって、鋼みたいな心を持ってるわけじゃない。だけど、そんな時には、頼れる先輩たちに救われてきた。だから、自分は同じことを後輩たちにしていくって決めたの。

「アナタ達が減点した分くらい、わたし達が稼いであげる。それが、先輩の役目でしょう?」

実は、これって、チャーリーの受け売りなの。
彼がどう思っていようと、あの時、わたしが彼に救われたことは事実だった。




(ナマエ、アナタ部屋にいないと思ったらもう起きてたの?珍しいわね。)(いくらわたしでも、スラグホーンとのデートを出されれば、寝ているなんて無理だったわ。)(どういうこと?まさか、スラグホーンが誰かとデート?!)(それはまさかね!彼って、女といるとこすら見ないじゃない。)(いやね、スラグホーンだって女といるわ!)(そこにはムキにならなくっていいわよ。)(え、でも、どういうこと?)(リンゴに、夏休みはみんなでお茶でもしましょうって。)(ワーオ、やるわね、ツキミヤ!)(女みたいな格好してるけど、男前ね!彼!)(そこいらの男より、男前だとは思うわ。)(あら、どうしたのよナマエ。)(いいじゃないの、デート。)(デート!ひゅーひゅー!)(ひゅーひゅー!)(ちょっと!どこから出てきたの?!)(男子寮。)(誰とデートだって?)(スラグホーンに決まってるでしょ!)(ちょっと!アンジー!どうして言うのよ!)(ナマエの恋は、みんなで応援しなきゃ。)(そうよ。グリフィンドールはアナタの恋を応援するわ。)(ええ、みんなでね。)(よかったじゃない、ナマエ。キミには仲間がおおいね?)(何笑ってんだレイジテメェ。)(ランランみたいなしゃべり方になってるってば!)(おい、コイツと一緒にすんな。)(いいじゃない!ランマル、一緒にされましょ?)(ふざけんな、ぜってぇゴメンだ。)









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