きゅん
仕事終わり、恋人の来訪を聞きいそいで自室へと走る


ドアを開くと俺のベッドに座る愛しい恋人の背中を捉えた


『心くんおそい』


不貞腐れたような声と共に聞こえる鼻をすする音にまさかとベッドに駆け寄る


「あーあー泣くなよ」


慌ててボロボロのジャケットとマスクを脱ぎ捨て比較的綺麗な部分を多く残したシャツの袖で涙を吸い取ってやると俺のカワイイ恋人はさらに大粒の涙を零した


『3日で帰るって、言ったじゃない』
「悪い」
『……心配したのよ』
「ウン」


俺の腕の中で泣きぐずる小さな恋人のやわい髪を梳く。手ェしっかり洗っておけばよかった。俺はなまえの涙にめっぽう弱い。なまえに泣かれると情けない程に狼狽えてしまう


『キスして』
「ン」


ケナゲな恋人のワガママにもならない程の願いを叶えてやれば、涙で蕩けた瞳を和らげて涙を止めてくれた。よかった。思わずほっと息をつく


「ただいま」
『……はい、おかえりなさい』


暖かく脆い恋人の身体を抱き締めるときゅ、と小さく抱きしめ返される。カワイイ


「ホントにゴメン」
『いいよ、もう。キスしてくれたから』


カワイイ。
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