SSS

2017/05/20

銅橋と真夏

「また退部させられたって?」

 緑色の頭に、縦も横も他人より一回り以上はみ出ている姿は、生徒の多い廊下でもよく目立つ。手元を見れば、恐らく提出するのは三回目になる入部届けが握られていた。

「俺は真面目にやってんだ。間違ってんのは先輩たちの方なんだよ」
「でもそれで手が出て辞めさせられたら、元も子もなくなっちゃうよ」
「俺は、間違ったことはしてねェ」

 迷いのない真っ直ぐな声で言い放つ。銅橋はいつも、自分の中の正義を信じている。たとえそれが、周りから鬱陶しいと思われているものでも。

「愚直だなぁ」

 行ってしまった背中に呟いた独り言は、廊下の雑踏にかき消された。
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