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▼【キオク】(実写)

◇サウンドウェーブ

「来てくれたんだー。まったくまったく暇してたよー。何日ぶりー? 2週間ぐらい?」
「……以前俺が来たのは23日前だ。3週間は前になる。それに、ここに来たのはディランが顔を出せと煩いからだ」
「そうだったっけ、覚えてないや。というより、とっても細かいよ、サウンドウェーブ。
 人間はそんなところまで覚えてられないのよー?」

開き直る彼女を見て、呆れる。人間とはなんと面倒な生き物なのだろうか。

記憶域が狭く、数年ごときで物事を忘れやがって。人間は見たもの全てを意識しない限り1時間経つと50%忘れ、1週間経つと70%も忘れてしまうのだという。
記憶中枢に酷いダメージがない限りは『忘れる』という機能のついていない、何万年も生き、記憶を保留する俺達からすれば、それは人間の弱さを垣間見るようで。

あっけらんと楽しげに笑った彼女は何も思わないのだろうか。
過労で衰弱していけば、記憶はさらに忘却を進めるのだという。記憶は失われる。

そうやって、いつかは、俺達のことなど。

「覚えてられないなぁ」

白い白い病室で微笑みを浮かべた少女は、いつまで俺の存在をその脳に刻んでいられるのだろうか。


(俺のブレインは君で埋まっているというのに)

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