はるがすみ
[二]倉庫

アサクリ(レオエツ)


「エツィオ。この飲み物はご存知ですか?」

レオナルドの元を訪ねると、挨拶もそこそこにそう問われた。白いカップに入った真っ黒な液体。

「なんだ。あぁ、“コーヒー”ってやつか。前にアントニオに飲ませてもらったよ」

初めて飲んだ“コーヒー”という飲み物は、味は悪くないんだが、かなり苦かった。まだ珍しくはあるが、最近になって時折評判を耳にする。顔の広いレオナルドは流石というか、もう自分で手にしているんだな。

「とても香りの良いものが手に入りましてね。一杯いかがですか?」
「そういうことならもらうよ。ミルクも用意してくれるとありがたいんだがな」
「お安いご用ですよ」


目を覚ますと。

「・・・?いや、まて。目を覚ます?」

俺はどうしたんだ。確かレオナルドにコーヒーを淹れてもらって、それを飲んでいたはずなのに。

「あぁ、起きましたか、エツィオ」
「レオナルド!悪いな、寝てしまったみたい…!?」

せっかく訪ねた先で寝入ってしまった事を詫びようと身体を起こしかけるが、うまく動かない。全身が麻痺しているような感覚だ。

「あー、あー。無理に起きようとしない方が良いですよ。といっても起きれないと思いますが」
「どういうことだ、レオナルド」

なんだか嫌な汗が出てきた。

「いやただね、ちょっとばかし良いモノが手に入ったのでエツィオにぜひと思っただけです。大丈夫、あなたは何もしなくていいんです。私に任せて」
「だから何なんだ、レオ・・・おい、君は何をしてっ…!」

良いモノってなんだ、良いモノって。なんで乗り掛かってくる!

「大丈夫ですから。すぐに気持ちよくなりますよ」
「や、やめろ!」

なんでも作ってくれる友人は、とんでもないモノまで俺にくれるつもりらしい。・・・俺自身、満更嫌というわけでもない気がするのは気のせいだと思いたいな。



初:2010.4.12














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