はるがすみ
[二]倉庫

BSR(家三)


天下が東と西とに二分され、再び戦乱の世が訪れた。
各地で争いが起こる中、東軍西軍の両総大将が密会を行なうという噂が真しやかに流れた。
奥州や甲斐、はたまた四国。日の本のあらゆる地域が密会場所と噂された。

「見ろ、三成!あれが独眼竜の、竜の石像だ。大きいだろう」
「・・・おい」
「やはり間近で見ると迫力が違うな。よし、次は元親の処へ行こう」

民たちは自らの住む地域が噂されると、時代の転換期となる偉大な地になろうことを期待し、戦時と同様当地の国主の動向に注意を向けた。

「あれだぞ、三成!あれが長曾我部の誇るカラクリだ。独眼竜の竜像に負けない迫力だな」
「・・・・・・おい」
「忠勝に近いものを感じないか?やはりあいつも連れてくるべきだった。三人で拝んでみたかったなぁ。さ、次は真田の処だ」

密会の噂は各地の国主をも動かし、部下たちに情報の収集を命じた。

「ほら、三成!これが信玄餅だ!美味いぞ、お前も食ってみろ」
「・・・・・・いい加減にしろ!!なぜ私が、お前なんかと、この様に、旅を共にしなければならないのだ!」
「なんだ三成。甘いものは嫌いではないだろう?」
「そういう話をしているのではない!貴様は・・・!」
「ほら、あーん」
「だから、・・・ん」
「どうだ、美味いだろう。いっぱい用意してあるからな。さ、もう一つ食え」
「・・・美味しい」
「そうだろう!これを口にして以来、どうしても三成にも食わせたかったんだ。折角だ、どんどん食え。あーん」



「・・・私は徳川家康と石田三成が密会をするというから、謙信さまの命を受けて様子を探りに来たのに、これは、これは一体なんだ!?」
「うーん、俺も東軍西軍の大将に動きがあるって情報を手に入れたから来たんだけどねー」
「これでは、まるで、まるで・・・!」
「うん、これはあれだな。ただの新婚旅行」
「この混乱期にあいつらは何をしているのだ・・・!!」
「まーいいじゃん?平和が一番。二人も幸せそうだしさ。ついでに俺らも婚前旅行する?」
「馬鹿も休み休み言え。もういい。私は謙信さまの元へ帰る。お前も時間を無駄にしたくなければ早いところあの二人を追い出すことだ」
「ありゃ、フラれちゃった。追い出すって言ってもなー。あぁも仲睦まじいところに割って入るのは野暮ってもんだろ。・・・お二人さん、お幸せに」

多くの争いを生んでいる東西の対立。数多の戦が終わるのは嘘か真か――。



初:2010.5.21
発売前妄想。














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