はるがすみ
[二]倉庫

キューティクル(緒洋)


「あーー!寄るな触るな髪噛むな!」
「なーに、洋ってば照れっちゃって。可愛いんだからもー!」

相も変わらず犬好き全開、好き勝手解釈な緒方登場。一挙手一投足に疲れられる奴ってのもある意味希少種だ。

「照れてねーっての!お前も俺に構う暇があったらステラの相手してやれよ。護衛だろ、護衛」
「ステラは今日一日健康診断で病院なんだよ。俺の代わりに付いてるのが荻っていうのが気に入らないけど、ステラの身は守るだろう。だから一日非番になった俺は、こうして愛しい愛しい洋の元に馳せ参じたってわけ。最近会えなくてごめんな、寂しかったろー」
「だ、か、ら。全身撫で回すのやめろって!緒方、マジ、どこ触って、こら・・・!」
「本当に可愛いよ、洋。・・・ねぇ、洋。今日あんまり寝てないだろ。遥のこと?それとも昔の夢でも見た?」

鋭い。極度の犬好きは感覚もベテラン獣医並ってか。なんで気付いてほしくないことにだけ気付くんだよ、この馬鹿は。

「なんで、そんな・・・普通に眠れてるよ、俺は。緒方こそ仕事忙しくて休んでないんじゃないか」
「俺はいいの。洋、あんまり溜め込むなよ。遥のことは俺がなんとかする。昔のことも俺が消してあげるから」
「緒方・・・」
「ほら、洋はせっかく自由になったんだから。今は今の生活を目一杯楽しまないと損だろ?ま、警察犬に戻ったら俺とパートナーになるっていうバラ色生活が待ってるけどなー」
「だからお前を相棒にする気はな・・・ん、っ」
「・・・洋、好きだよ。今までも、これからも。だからもう一人で泣いたらダメだよ。・・・洋を傷つけるもの全てから俺が守ってみせる。約束だ」

そしてこの極度の犬馬鹿は、時々こうして格好良く俺の心を救ってくれるんだ。

「だから!今日は一日、洋から離れないぞー!」

・・・ずっと格好良い緒方も腹が立つが、もう少し馬鹿の程度が下がってくれると良いんだけどな。



初:2010.4.1














ALICE+