遠くに行った星
──極小の特異点を発見した。
そうダ・ヴィンチから聞かされたのは昨夜のことだ。名前と同じカルデアのマスターである藤丸立香は別件の特異点に向かっていたため、今回の任務は名前単独である。
名前にとって単独行動は頻度は少ないが出来ないことではない。前日からダ・ヴィンチと数名の職員共に特異点の危険度を予測してレイシフトに連れていくサーヴァントを考えていた。
同僚の藤丸立香程ではないが、彼女の従えているサーヴァントの数はつい最近30名に達したばかり。数が多いほど戦力が増えるがパーティ構成がぐっと難しくなる。それに加え今回は特異点の危険度が予測しずらく敵の特性も分からないままだ。結果、今回のパーティはギルガメッシュ、ジャンヌ・オルタの高火力2人をメインに残りの4人はバランスを見て選抜された。
当日、周りの職員が慌ただしく準備を進めている。カルデアに残った職員の殆どを藤丸立香のレイシフトに充てているため、名前がレイシフトするときは数名ほどの職員で賄われている。同じ人類最後のマスターとして存在している2人でも主に動くのが藤丸立香で名前はサポート役。料理に喩えると彼が主菜の肉・魚であれば、名前はそのに脇に添えてある野菜がいいくらいだ。そのくらい2人の立ち位置は違う。
「本当に極小さな特異点で消えかけなんだけど、少し様子がおかしくてね。かと言ってこんな小さな特異点でも放って置く訳にはいかない。レイシフト先では何があるか分からないから慎重に行動するように、──いいね?」
ダ・ヴィンチは名前に念を押した。
分かってるよと彼女が笑い、
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