STAGE.1

STAGE.9

春うらら。

薄紅色の花が一番美しく咲き乱れる季節の到来です。


「時は来た。真選組、出動だ!」

「「「おぅ!!」」」


街を闊歩する異様な黒い集団。
の、後方に位置した私は重箱を持った腕がすでに限界。

なんか皆かっこつけて歩いてるけど、ちょ、誰かコレ持てよ。

桜前線通過中の江戸。
天候、気温その他諸々を加味して決行するのにベストと判断された本日は、毎年恒例という真選組総出のお花見が開催されます。

お弁当を作らされた、まではいいとして、何で私が荷物持ちまで。

ぶつぶつと心の中で文句を言いながら、前を行く黒い集団を必死に追い掛けた。

程なくして目的の公園へ辿り着くと、満開の桜が迎えてくれた。さすがにその景色には思わず感嘆してしまうほど鮮やかで。

場所を見つけたのか、行進を停止させた隊士たち。花見の準備を始めるのかと思いきや、何やら前方で揉めている声が聞こえてきた。

気になって顔を覗かせると、そこには見知った方々の姿がありました。


「そこをどけ。そこは毎年真選組が花見の際に使う特別席だ」

「どういう言いがかりだ。チンピラ警察24時か、てめェら」


すでに花見を開始していた様子の万事屋一行。
場所を提供するように言う土方さんに対して、食って掛かる銀さん。

まぁいきなり花見の場所を譲れって言うのは横暴だよね。隊士や総悟たちも別の場所で問題なさそうだし。

けれど、アホな天然パーマのために自分たちが移動することが、土方さんにとって癪らしい。

確かに。

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