2018/05/28

↓違うパターン没



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いつかはこうなると思っていたんだけども。だって、旋風さん狙われたってことは私も狙われるに決まってる。まぁ、楽々かわしたりしてたんだけども。霞ちゃんが引いたくじ引きがあたり、みんなで出掛けようぜ!と言った天晴にこんなことあったかな?と思いつつ、お弁当こさえて出かけたらやはりである。捕まった六人、足元に転がった手裏剣と忍者一番刀に眉間にシワを寄せる。さてはて、こうなったら打開策はいくつかある。手裏剣を渡す、手裏剣を隠す、私が戦う、エクセトラ。このえちゃんみたくになっていない九衛門は私を見て笑った。このえちゃん姿で来てくれ。
「何処の誰かはしらないけど、それを渡してくれたら六人は助けてあげるよ」
「助けてあげる、と言われましても、命を助けると苦しみから助けるでは天と地ほどの差があるわけなんですが。この手裏剣が何なのか貴方は知ってるんですか?」
「あぁ、知ってるともさ」
「貴方、もしくは彼らは手裏剣を用意て忍術を使っているように見えます。これもその類ですか?」
「君は賢いようだねぇ、その類といえばそうなるかな」
「では私がこれを使うと忍術が使えると」
「ふふっ、それはこの世には存在しない何かを呼び出す手裏剣さ。忍術は使えないよ。伊賀崎好天が一度だけ使い、若武者を連れて来たことがある」
「彼は帰ったんですか?」
「さぁ、僕は知らないし、教える義理もない。さ、僕に渡すんだ」
そうこちらを見た九衛門に、嫌と言えば?と聞く。
「君から奪うだけだ」
さてはて、いないはずの人物を呼び出す手裏剣ときたか。こっちの爺ちゃんは多分お父さんを呼び出したんだろう。天晴が私を呼び出したのもそうだろう。なれば相手が使って現れるのは私に関連する妖怪になるわけで。何それ絶対嫌だ。って事で渡すという選択肢は却下。2番目は隠す、だけど今からすり替えて隠せないので却下。
「何を迷っているんだい?あぁ、そうか、見かけない顔だと思ったら!君はその手裏剣で召喚されたんだったね、可愛そうに」
ケラケラと笑った彼に目を伏せる。
「どんな気分かな?周りに知り合いがいない、誰もいない、自分を自分だと証明するものもなく、ただ世界は他人だらけ、家族もいない、友人も、誰もいない」
それ結構彼にブーメランだと思うんだけど。まぁこれは盛大なネタバレになるので言わない。
「生憎、帰ったらみんないますので一人ではないです」
「帰られないかもしれないじゃないか」
「可能性はどちらにもあります。ただ、私はそうなりたい方を信じるだけです。まぁ、今も一人ではないので。ある意味では向こうとあんまり変わらないっていうか」
そう言いつつ、一番刀と手裏剣を拾う。今気づいたけど周り声出ないようにされてるのね。どうりで外野が静かなわけだ。
「……変わらない?」
「ええ、変わりませんね、ほとんど。年齢順だったり呼び方だったりが違う気もしますけど、まぁ、出会い方が変わったというぐらいで」
「お前は一体、」
「私ですか?気にしないでください。どうせ私は存在しない人間なんだから。手裏剣忍法・千本桜!木の術、金の術、MIX」
そういえばヒラリと桜の花びらが落ちる。それは量が増え、一斉に九衛門に向かう。な!という声と弾く音が聞こえる。その間に「手裏剣忍法・蜃気楼の術、水の術・炎の術、MIX」と言って蜃気楼を作り出し、六人の手裏剣や一番刀を回収した。まぁ、すぐ「こざかしい!」と叫ばれて蜃気楼の術は解かれたけど。
「貴様が何故手裏剣忍法を使える!」
そう吠えた九衛門に、やれやれと思いながら六人の拘束を解いた。ぐらりと倒れかかった年少組を支えて立たせる。
「さて、どうしてでしょう。選択肢並べようか?一つ、私はいないはずの伊賀崎好天の兄妹である。一つ、私はいないはずの伊賀崎好天の娘の一人である。一つ、私はいないはずの伊賀崎好天の孫の一人である。一つ、私はいないはずの伊賀崎好天の弟子である。一つ、私はいないはずの伊賀崎家の配偶者である。一つ、私はいないはずの彼彼女らの子供である」
指折りながらそう告げる。待ってくれる九衛門は意外と律儀だと思う。伊賀崎の五人の表情がコロコロ変わって楽しい。
「あとはそうだな、私はいないはずのキンジ・タキガワの兄妹である、とか、私はいないはずのキンジ・タキガワの配偶者、はたまた彼の娘、彼の弟子……」
「今度はあっしでございやすか!?」
そう驚いた彼にニコニコしておく。いや、笑いごとではございやせんよ!あっしの家族とかそんなこといきなり言われても困りやす!と言った彼の頭をポンポンしていれば「スターさんの娘説と弟子説は消えましたね」と冷静に分析している霞ちゃんに言われた。
「あと、油断してるからそういうこと、になるんじゃない?」
「な、」
にを。そう言いかけた彼の背後から私の分身が叩っ斬る。すんでのところでかわしたらしいけど。九衛門は盛大に舌打ちしてドロンして消えた。気配が遠のいたな、と思いながら六人を見る前、に、体がぐらついた。霞んだ視界に、あ、私死ぬ前だったよなぁ、と思う。暗くなった視界に、誰かが抱きとめるのがわかった。

「ナマエお嬢ちゃん!」
そんな声に目をうすら開く。キンジさん?と出た声は微かで弱々しい。なるほど、キンジさんの容姿を見るに、戻ってきたらしい。そしてキンジさんはとても怒っているらしい。
「今まで一体どこに行ってたんでございやすか!?そんな体で!!」
「なんといえばいいのか……」
「とりあえず、坊っちゃんお嬢ちゃん方も探してくれていやしたから、道場へ向かいやす。話は聞かせていただきやすよ」
有無を問わないそれだなぁ、と思うわけです。

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「ナマエちゃんが存在しない世界に召喚されていた?」
そう小首を傾げた霞ちゃんに頷く。後ろにキンジさん、前に泣き虫な娘っ子サンドである。とても暑い。周りを囲んで逃げ場をなくした従兄弟は過保護な気もする。
「あとみんな若かったよ、具体的に言うと天晴が20歳だったし、キンジさんが刺客して帰国して召喚されたあたり」
「それ、懐かしいな!」
「ナマエ姉向こうで大丈夫だったのか?」
「18歳の姿でスーパー元気だったよ。家政婦してたけど。いやぁ、みんな可愛かった」
「でも、どうやってナマエちゃんが召喚されたの?」
「こっちにはない手裏剣があってね、いないはずの存在が召喚されるらしいよ」
泣き止んだ娘っ子が話に飽きたらしく、快晴くんと遊びだす。そんな時だ。ザ・召喚!と言う声が聞こえた。
「おい、誰だオトモ忍召喚しようとしてるやつ」
「違う違う、これ私が召喚されるやつ」
「は?」
「却下しやす!!!行かないでくだせぇ!!」
そう叫んで私をきつく抱きしめたキンジさんには悪いけども、世界がぐるりと変わった。

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「あ、きたきた!ナマエ!」
「やっぱり呼び出されたか〜」
やれやれと言いながら天晴を見る。いやぁ、考えてもナマエがどれかわかんねぇし、率直に聞こうと思って、とはっきり言った天晴にやれやれと息を吐いた。
「他のみんなは考え中?」
「おう!」
「全部嘘の可能性もあるのになぁ」
「でも嘘はないんだろ?」
バシバシと背中を叩いた天晴にまぁねといえば彼はケラケラと笑った。
「本来なら私は天晴さんとは同い年なんですよ」
「ってことは〜、爺ちゃんの孫か!」
「はい、私の名前は伊賀崎ナマエ。私の父は旋風さんの弟に当たります」
「へぇ、親父の弟!」
「まぁ、ラストニンジャを継ぐ気がなく別の忍者となって違う家に仕えたんですけどね。かくいう私もラストニンジャになる気はなかったんですけど、呼び出されてしまって」
「なんでなる気は無かったんだ?」
「まぁ、色々あったんですよ、色々。私こう見えてあなた達からして未来から来てるので」
「未来!?ってことは、年上!?」
「なーんかこっちに召喚されたら若返るみたいなんですよね。今日の夕飯何がいいですか?」
「肉!」
「ついでにオヤツ買いますか。買い出し手伝ってください」
「ああ!今度修行付き合ってくれ!」
「私体弱いんだけどなぁ」
「そうなのか?じゃあ無理はできないかぁ」
「まぁ考えときます」
そんなことを言いながら買い出しに出かける。肉料理何にするかなぁ。

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何やら天晴さんと帰ったらみんなが難しい顔してた。二人で顔を見合わせて道場に入る。
「あれ、これ私の答えみんな考えてる感じですか?」
そういえばめちゃくちゃビビられた。なんでだ。
「ナマエさん!?なんで!?」
「天晴さんに呼ばれました」
「タカ兄!?」
「まーだ考えてたのか!んなもん、本人に聞いた方が早いんだから呼べばいいだろ!」
「お兄ちゃんの馬鹿!ナマエちゃんせっかく帰れたのに!」
「あっ!?ホントだ!!悪い!」
「貴方のいけいけどんどんは長所でもあり短所でもありますから」
苦笑いしてそういえば、周りが顔を合わせた。
「貴方、ということは!」
「タカちゃんのお嫁さん!?」
「違います」
そう首を左右に振る。まぁお好きに想像してください、と言いつつおやつを広げる。
「お兄ちゃんは正解聞いたの?」
「あぁ!俺たちのいないはずの従兄弟で本来なら俺と同い年なんだってさ!」
「私たちの」
「従兄弟で」
「天晴坊っちゃんと」
「同い年」
「ってことは、年上……?」
数秒の間である。私はお茶を淹れる。ええええ!?と叫んだ周りは放っておいて、天晴くんにお茶を渡す。
「え、でも、前は十八って」
「十八あたりの姿なのでそう言いました。こちらに来ると外見年齢が変わるようで。ちなみに実年齢はタキガワさんより年上です」
「ってことは、僕らからすれば未来から来たってこと?」
「いいえ。この世界には私は元から存在しませんし、可能性の世界から来た、としかいえません。それに私が何か公言して未来が変わっても困るので何も言いません」
そう言いつつ私もお茶を飲む。うむ、美味しい。霞ちゃんはずっと何か考えてるけどもなんだろうか。
「あと一つの正解は、キンジさんのお嫁さんですか?」
「え、あっしの?」
「ナマエちゃんの指輪のデザイン、ずっと気になってたんです。月と星が重なってるので、何かをさしてるのかなって。星といえばキンジさんですし」
そうなのである。実はこの指輪、キンジさんが作ったものなのだけども、小さな三日月と星が重なっているデザインになっている。私のものは月が後ろで星が前、キンジさんのものは星が後ろで月が前なのである。やれやれと息を吐いて彼らを見る。
「改めて自己紹介しときますね。私の名前はナマエ・タキガワ。旧姓は伊賀崎ナマエで、別世界ではあなた方の従兄弟にあたります。混乱を招いてしまうがため、少し惚けさせていただきました。ごめんなさい」
「謝ることないって!俺たちのこと考えてくれてたんだし!」
「あっしの花嫁さんとなると……向こう側のあっしは心配しておりやせんので?」
「心配してると思います。召喚されるとき、却下しやす!って叫んで止めようとしてたから」
「過保護なのか?」
「私がここ数年体調を崩しているからだと思います」
「え?病気なの?」
「いえ、病気ではありません。こちらに来ると元気になるんですよね」



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