*えろ
どれだけ長いこと体を重ねていても、お腹の裏側の異物感には慣れそうになかった。自分が自分でなくなっていくような感じがして、恐ろしい。それを分かっているらしく、煉獄は私に沈む時に私の手を握る。今俺が抱こうとしているのは、他でもない君なのだ。そう言われているよう。それだけで何となく気持ちが紛れる気がするのだから不思議だ。煉獄は時々、魔法を使えるらしい。
動くぞ、と苦しそうな顔をした煉獄が言うので頷いた。ゆっくりと腰が打ち付けられる。
お腹の奥が苦しい。何かに掴まっていなければどこかに飛んで行ってしまいそうだ。煉獄に腕を伸ばすと、「どうした」と少しだけ笑って、動きを緩めてから体を倒した。その首に腕を回す。触れあった肌が熱くてたまらない。このまま溶けてなくなってしまいそう。
もうすでに呂律の回らない舌でなんとか杏寿郎と呼ぶと、唇が落とされる。しばらく揺すぶられて、温かい欲が吐き出された。体がびくりと震える。煉獄が私の名前を呼ぶけれど、ずいぶん遠くに聞こえた。
脳みそが溶けるとは、きっとこういう感覚なのだろう。頭がぼんやりする。何も考えられない。快感を享受することだけでいっぱいいっぱいだ。
熱っぽい声で名前を呼ばれたので、ゆっくりと視線を合わせる。…ああ、欲の色だ。もう一度するのだろうと思った時にはもう口づけが落とされていた。