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もうここは天国なのかと思った。心の底から愛している人とやっと一つになれた幸福感とそこからくる快感で頭がちかちかする。それと同時に愛しさが溢れて溢れて溢れてしょうがない。ゆっくり入れながらナナシさんに深く深く口づける。指とは違う質量のものが入ってきて苦しいだろうに健気に応えてくれてかわいい、すき、すきあいしてる。ある程度まで入れて口を離して痛くないかと問うと、ナナシさんはこくりと頷き自分の腹を擦り軽く微笑んだ。

「お腹が、ん、君でいっぱいだ、な。こんなに心地、よくて幸せな気持ちに、っぅなったのは、初めてだ。」
「俺も、です。」
「んぅ!?お、おっきく...」

中で大きくならせるだけのことを言ったんですよ貴方は。只でさえ気持ち良さにイきそうなのに言葉でイかそうとしないでいただきたい。ある種の言葉責めですか、かわいい。このままナナシさんが慣れるまで待ちたいが如何せんそのままだと俺の方がやばい。動いてもいいですか、と聞けば好きに動いてくれ、と返事がくるものだからあ゛ーも゛ーーー!

「っひぃ!?んぅ、ぁ、ぁっ!」
「貴方の、そういう、ところがっ!俺を掻きたててるんだっ!わかりますか!?」
「な、にがだっ、あっ、あ、あ、んぅ!ひ、」
「嗚呼、かわいい、すき、すきで、すナナシさんっ!あいしてる!」
「あっ、だめ、だめだ前、まえさわるなっ、ひぃ、んっんん、」

がちがちに張りつめて苦しそうなナナシさんのモノも扱きながら腰を動かす。最初はいくら感じていても後ろだけではイけないらしいから、いつか後ろだけでイけるようにしてあげる。ごつごつと叩きつけるように動かしたり、前立腺を執拗に攻めるように浅く抜き差しするとナナシさんの喘ぎ声も変わってくる。嗚呼、かわいい...。特に抜く時の感じが好きなようでびくびくナカが動きながら吸いついてくる、まるで抜かないでと強請ってるみたいに。そこから一気に奥まで入れるとこれまた大きく震えながら引き攣った声を出してぴゅっぴゅっと精液を少し溢れだすものだから可愛くて可愛くて。腰をがっしりと掴んで奥の奥まで入れるとこつりと壁に当たる。嗚呼、ここか...。

「あっ、そこ、やだっ!やめ、やめてくれっ!」
「大丈夫ですよ、大丈夫。ほら、ここトントンって、されるのいいでしょう?」
「だめ、だめだって、むり、むっぅん!ひっ、ひぐっ!」
「ほらトントン、トントン、」
「あっ、あ、ひぃ、ゃ、」
「あ゛ーかわいい!かわいいんちゅ、ちゅぅ、ん、、ん、」

無理だ駄目だと俺の胸を弱弱しく押すナナシさんの腕を掴んで俺の首にまわさせてキスをする。暴力的な快楽にキャパオーバーを起こしたのか生理的な涙が溢れている。綺麗だ、目元にも口を寄せて口づけながらぽろりと零れた涙を掬う。その間にナナシさんの膝裏を持ち体を折り曲げる形でぐりぐりと奥の方に押しつけるとぎゅうっと俺にしがみついてくる。はぁ、気持ちいい。

「ナナシさんっ、ね?イきましょ?俺もイくから、はぁ、おく、奥にいいですか?いいですよね?」
「ぁん、ひっ、ひぅ、んンぁあっ、」
「ね?ね、俺の、受け止めて?奥で、俺を全部、ぅっ、」
「む、りきもち、おかっし、く、」
「いいですよ、おかしくなって?一緒に、きもちよく、」
「あ、あ、ぇ、さっ、」
「ん?どうしました?はっ、なに?」
「ぁっ、れぇさん、きもち、れぃさっ、」
「っ!?」

ぼんやりと俺を見つめながら喘ぐナナシさんの口から聞こえたのは俺の名前で、つい動きを止めてしまった、ごつんと奥に一突きして。んぁ!と一際大きな声を出してぷるぷる震えながら不思議そうに俺を見るナナシさんを力いっぱい抱きしめて一度ぎりぎりまで引きぬいて奥の奥を突いた。

「名前、なまえ呼んで、よんでナナシさん!」
「ふぁ、あん、ぁれ、れい、れぇさ、ぁ、あっ、」
「は、はは、かわいー」
「ん、ぐぅ、ふっ、ふ、ぁ」
「ぐっ、イきましょ一緒に、前もいっぱいゴシゴシしてあげますから、ね、ね?ナナシさ、はっ、は、でる、でるっぐぅ、」
「ひ、ひゃ、んっ、んん、ぁ、あぁーー、」

一番奥の奥にごちゅんとくっつけて快感に浸り長い時間をかけて全てを奥に出す。嗚呼、気持ちいい。ナナシさんもびゅくびゅくと撒き散らしながらナカをびくりびくりとうねらせている。声にならない声をあげて震えているナナシさんに軽くキスをしてゆっくりと引き抜くとこぽりと出したものも出てくる、ぐうえろい...。息を整えながらぼーっとしているナナシさんの隣に寝転がり声をかければ少し照れながら頬笑み返してくれる。

「大丈夫ですか?」
「ああ、その、ただメンタル的に駄目かもしれない...」
「?」
「ぅ、その思い返すとかなりの痴態を晒してしまった...。」
「痴態?いいえ、俺からしたらとても興奮する反応ばかりでしたし何より頭がいっぱいいっぱいで俺の名前を呼んで求める姿はかわ「もう、もうやめてくれ!」むぐ、」

セックス中のナナシさんの素晴らしさを語ろうとすれば手で口を塞がれてしまった...あんなに可愛いのに。顔を赤くしながら手をどけてこちらに体を向けたナナシさんが小さく声を上げて震えたものだからどうしたのかと聞けば恥ずかしそうに小さく答えた。

「君が出したアレが、その、出てきて変な感じなんだ。」
「...」
「えっ、ちょっと、なんで乗っかってくるんだ。待て、まてそこ触るな、」
「お風呂で腹の中のものをださなくちゃいけないんですが...その前にもう一回、ね?」
「やめ、もう無、理、ひっ、ぁ」

この後俺達が風呂に入れたのは三回戦目が終わった後で風呂の中でも一悶着があったのだがその話はまた今度。