俺の恋人が寝ている日1


「ただいま〜、すいません結局帰るの遅くなりました。」

今日は珍しく早く帰れそうだとナナシさんにメールを送り、彼からなら早めにお家行って夕飯準備しておく、という旨の返信が来て内心うきうきわくわくだったのに突然舞い込んできた案件に追われ結局帰宅したのは12時前。先に寝ていていいと連絡を一応いれておいたのだが部屋の電気はついたままだった。しかしいつもならおかえりなさい、というナナシさんの声が聞こえるはずなのに今日は無反応。不思議に思いながらリビングに入るとテーブルに突っ伏して寝ているナナシさんの姿があった。

「(嗚呼、俺を待ってる間に寝ちゃったのか...)」

すうすうと規則正しく動く肩に軽くブランケットをかけて風呂へ向かう。夕飯がラップに包まれて置いてあったな...後でチンして食べるかな。

***

その後風呂からあがってナナシさんが用意してくれていた夕飯も食べたが彼が起きる気配はなかった。よっぽど疲れていたんだろうか?もうこんな時間だし椅子で寝るのは腰も痛くなるだろうからと抱き上げて寝室まで運びベッドに寝かせる。お疲れ様です、と小さく声をかけながら頭を軽く撫でる。そこでふと、ナナシさんの服が普段着のままなのに気付く。頭からシャンプーの匂いはするから風呂には入ってから家に来たのだろうか。そのままだと寝苦しいだろうからとシャツのボタンを外していく内になんだか変な気分になってきた。いや、駄目だろう俺。うっすら桃色かかった乳首が見えて、いやいや駄目だろう、落ちつけ。

「脱がせますよ、ナナシさん?」

なんだか悪いことをしてるようで聞こえていないだろうに許可を取るように声をかけてしまう。ベルトを外し、ズボンをずるりと脱がして軽く畳みベッド横の収納ケースの上に置いて一息つく。駄目だ、これは、むらむらする...!そろりとナナシさんのシャツと共に胸を触ると小さく声を出しながら身じろぎするものだから、ナナシさんの前ではいつもぺらぺらになる理性はいとも簡単にどこかに行ってしまった。