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「あ!モブくんいらっしゃい。学校お疲れ様。」
「こんにちはナナシさん。」
「はいこんにちはモブくん。」
霊とか相談所の玄関を潜るといつも笑顔のナナシさんが出迎えてくれる。ふよふよ浮きながら。この人は所謂守護霊という者らしい。最初の頃は霊だと思わずに普通に接していたんだけども何故か師匠は無視をするから聞いてみるとナナシさんは笑いながら自分は霊なのだ、と言っていた。何故師匠は見えてないフリをするのか、とも聞くとこれまた笑いながら自分は守護霊だから四六時中一緒にいるんだ、そんなの新隆したらプライバシーも何もないし嫌でしょ?だから見えないようにステルスしてるんだ、と言っていた。だから私の事は内緒ね?と指切りしたナナシさんの顔は笑っているのに泣きそうな顔をしていた。その顔は僕の脳裏に焼き付いて忘れられない。
「あら?モブくんその子誰?」
「ああ、霊です。今朝からくっついてて師匠に消すか消さないか聞こうと思って...。」
「そうなんだ。なんかよく分からないけど霊同士よろしくね。私はナナシ、えーと?」
「エクボ。」
「エクボさん、よろしく。」
エクボと握手をして僕らを椅子へと案内してくれる。その後はいつも通り霊力?で牛乳を僕にくれた。師匠にもお茶を渡していて師匠は僕が超能力で淹れたものだと思って礼を言ってきた。ナナシさんなのに...。
「シゲオ、あの女なんなんだ?悪霊ではなさそうだが...。」
「僕もよくは分からないんだけど師匠の守護霊みたいだよ。」
「はぁ?守護霊?」
「うん。エクボ、ナナシさんにも何かしたら消すからね?」
「わ、わかったよ。」
きっとナナシさんは師匠のことが好きなんだと思う。師匠の近くにいる彼女の顔には初めて会った時のような表情は全くないし逆にいつも本当の笑顔だ。でもなんだか悲しく僕は感じてしまう。昔彼女に師匠と喋れないのは寂しくないのかと聞いたことがあるけどナナシさんは小さく笑って、傍で新隆を守れたらいいから、と言っていた。よく分からなかったけどもきっとそれは僕がつぼみちゃんを遠くから眺めているだけで胸のあたりがあったかくなるのと似ているのかな、と思った。