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「あれ?」

何故か新隆の事務所で寝てしまっていたみたい。あれ、私、あれ?今日ここにきてたんだっけ?まだ眠気がとれてないからかまだ頭がぼーっとしている。立ちあがってまわりを見回すと新隆が机で居眠りしているのが見えた。疲れているんだろうな、と何かをかけてあげようと近くにあった毛布を掴んだ。

「...あれ?」

まだ寝ぼけているみたいだ、毛布が掴めない。え、え?意味が分からない。なんで掴めないんだろうか。掴もうとしてもすり抜ける、幽霊みたいに、

「ん...寝てたのか俺。」
「あ、新隆、」
「なんか寒ぃなここ。」

起きた新隆が毛布毛布と椅子から立ち上がり歩いてくる。新隆、ここだよ毛布はここ、あとなんかおかしいんだよ、ねぇ、

「新隆、」
「あーあったあった。暖房費勿体ないがそろそろつける時期か。」
「ぁ、」

新隆は私をすり抜けて毛布を掴んだ。そんな、これは夢?そうか、夢だよね。そうだそうじゃなきゃこんな変な体験するはずないもの。

「ナナシ遅いな...もうこんな時間じゃないか。」
「私はここにいるんだけどな。」

何か忘れている気がする。なんだっけ。何か、何かを忘れてる。大事な何か、

「あ?電話?...ナナシのおふくろさんか。もしもし、」

あ、私、

「は?ナナシが、」

ここに来る途中で、

「死んだ?」

死んだんだ。