結婚しよ。


いつもの執務室にプラスハンジさんがいた。ソファーに座り兵長と俺をじぃーっと見ていらっしゃる。観察?されているのだろうか、なんだか居心地が悪い。兵長もなんだか機嫌が悪いらしい、いつもより眉間の皺が多い。不機嫌オーラに当てられてもにこにこ俺達を観察しているハンジさんに苦笑いしかできない。仕事はどうなされたんだろうか、いつものサボりだろうか。後でモブリットに胃薬をあげよう。

「…」
「ナナシ」
「紅茶ですね、もう湯は沸かしてあるので少しお待ちくださいね。」
「…」
「おいナナシあの書類は」
「ああ、あの訓練所の修繕の書類ですか?あれは団長へ提出しました。はい紅茶です。」
「助かる。」
「…」
「はい、ハンジさん紅茶です。それ飲んだら戻ってあげてくださいよ?モブリットが可哀想です。」
「何時までいるつもりだクソメガネ。」
「…2人ってさ、熟年夫婦みたいだよね。」
「…」
「な、何を言ってらっしゃるんですかハンジさん!って兵長紅茶零れてます!」

真顔で衝撃発言をするハンジさんに物凄くうろたえてティーカップを落としそうになった。兵長も動揺されてるようでだばだばと紅茶が零れてしまっている。濡れてしまったスカーフをとりハンカチで水気をとる。着替えてきてください、と声をかけると頷いて自室へとひっこんでしまった。にやにやとするハンジさんを軽く睨むとこわーいと大声で笑い出す。なんなんだこの人は…。

「服脱がしてあげないの?」
「さっきから何言ってんすか…。」
「ああ、脱がしたらリヴァイが発情するか。」
「ハンジさん…。」

ジト目で見るも全く気にしてないようにニコニコいや、ニヤニヤ笑顔のハンジさん。溜息をつくと、幸せが逃げるよ〜と言ってくる。誰の所為で溜息ついていると思っているんだ。

「いや〜さっきの2人見てるとさ、ほんと夫婦みたいなんだよ。リヴァイがみな言わなくてもナナシが分かってる、そんなだったよ。」
「まあ2年ほどずっと一緒ですしね、大体は分かるようになりますね。」
「ん〜リヴァイが旦那でナナシが妻って感じかな?いや、妻がリヴァイでナナシが尻に敷かれてる旦那?」
「…はぁ。」
「そんな照れるな照れるな!まあ、夜はリむぐ!?「クッキーでも食べたら帰ってください。」いひなひぃいへるなほ〜(いきなりいれるなよ〜)。」


ハンジさんはもぐもぐとクッキーを咀嚼した後紅茶を一気に飲んで立ち上がった。

「ではそそろお暇させてもらうよ、紅茶とクッキー御馳走様でした。」
「おそまつさまでした。仕事頑張ってくださいね?」
「ははは」

じゃあね、と手を振りながら出ていくハンジさんと入れ違いで兵長が自室からでてきた。ハンジは、と聞かれたからお帰りになりましたと返す。そうかと言いご自分の机に戻られるのかと思えば俺の隣に立ってじっと見つめてくる。なんだろう、顔に何かついているのだろうか。

「兵長、何か?」
「お前が旦那で俺が妻か、いいかもしれんな。」
「!?」

兵長までそんなこと言いだすのか、と驚いた。えっと、兵長?と戸惑っていると、結婚するか、と真顔でまた爆弾発言を落とすものだから俺は固まってしまった。固まった俺を見て少し眉を下げた兵長は冗談だ、とご自分の机に戻ろうとする。その表情が俺に突き刺さる。傷つけてしまった。咄嗟に兵長の腕を掴んで後ろから抱き締める。

「ナナシ?」
「もし、巨人を全て駆逐できたら、」
「…」
「俺と、結婚してください。」

そう言うと俺の腕の中で反転した兵長が俺にぎゅうっと抱きついてきて小さく頷いた。
全て駆逐して本当に平和になったら壁の外、海とかいきたいな。海ってきらきらしてて物凄く綺麗らしい。そうだ海の近く、そこで暮らして、子供も作って幸せに暮らしたい。兵長のこと絶対に幸せにしますから。