視線が痛い。じいっと見つめてくるその視線に戸惑いつつなに?と首傾げれば、いやね、何食って育ったらこんなに可愛くなんだろうなぁって、と一言。電気くんがまた恥ずかしいこと言っている。
紙パックのジュース飲みつつ大真面目な顔で一切目を逸らさない彼に、そんなにじっと見ないでよととうとう恥ずかしさに我慢ならず手でガードしながら苦情を伝えれば、電気くんはガーン!と慌て出す。
「うえっ、何で隠しちゃうの!?」
「だって恥ずかしいんだもん」
「恥ずかしがってるところもかわいいのに!」
「それでもやだ」
みーせーてー、いーやーだー、と小学生みたいな攻防戦を繰り広げる私たち。くっ、こうなったら、と私は電気くんの背後に向けてテキトーに指を指す。
「あっ、UFO!」
「……いや、それは流石の俺でも引っかかんねぇよ」
え、ウソでしょなんで?
「逆に何でいけると思ったの?」
そう心做しか少しバカにしたようにケラケラと笑う電気くんに、むっと頬を膨らませてから目を背ける私。しかし生憎とすぐさま無理やり真正面を向かされてしまった。
「もうほんとさ、可愛いのは顔だけにしよ?」
「電気くんが言うほど可愛くないよ私」
と拗ねながら言えば、え、自覚ないの!?電気くん心配!ってうるさいしほんと意味わかんない。
「え、うん。だって俺しかわかっちゃダメなやつだし」
つーか、俺以外の奴が分かったら普通に腹立っちゃうかも、俺。なんて眉を下げて大袈裟に悲しそうな顔をする彼は、うーっ、と潤ませた瞳で数秒顔を鷲掴みにされた私と見つめ合ってから、ガバッとやや乱暴に先程まで頬を固定していたその手で私を抱きしめた。毎度のことながらに鼻が折れそうだ。電気くん、意外としっかり鍛えてるから固いんだよなぁ。
恥ずかしいやら痛いやらで、何がなんだか分からない。今にもオーバーヒートしそうなその火照った顔のやり場のなさに戸惑いつつ、私はただただ硬直した。
「はぁ……俺いつかお前に殺されっかも」
「えぇ?」
「死因、キュン死」
「……死ぬのはやだ。さびしい」
「……」
「電気?」
「あぁもうほんとあんたって子は……!!」
「ふふ、なにそのノリ」
あと苦しいってば。なんて電気の腕の中でぶつぶつとぼやく私を、彼は頬を染めて、先程よりさらに強く私をぎゅうと抱きしめるのだった。
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