少女は長い間、檻の中にいた。 その檻がどこにあるのか、いつになったらでられるのか、彼女には何もわからない。ただひとつたしかなのは、彼女には檻に入るだけの罪があったということだった。彼女は罰としてここに閉じこめられていたのだ。 檻の中は平和だった。怖い人も、暴力も、悲しみも何もない。彼女は静かな檻の中に座りこんだまま、じっと時がたつのを待っていた。 檻の中は幸せだった。ただし、ひとつだけ不満点があった。 「寂しいな」 この場所には誰もいない。彼女は孤独だった。 ──ストレンジ冒険記 「天空の物語」