徒然と好き勝手に書いてます。物語のあとがき的なものもここに。1ヶ月以上更新が無ければ現実で何かあったとお考え下さい
雑記04/15 13:01 天下一舞踏会
二時間耐久小説チャレンジです。

……全然書けませんでした!←
後日完成したら短編小説として載せようと思いますが、とりあえず二時間で書けたものをブログに載せておきます。



とある日の早朝、リッカの宿屋にて。
カレンは一通の手紙を受け取った。ゴテゴテと装飾が施された、見るからに高級そうな手紙だ。
郵便手数料もなしに手紙を送ることが出来るようになった昨今。郵便屋へ行けば自分宛ての手紙を簡単に受け取ることが可能である。
便利な世の中になったものだ、とカレンはどこか達観したような気持ちでその手紙を受け取った。そう、受け取ったところまでは良かった。
しかし、その差出人を確認した途端に嫌な予感がした。「まさか」という思いと「気のせいだ」と思いたい気持ちが交錯する。おそるおそる封を切ったカレンはその内容にサッと目を通す。そして、思いっきり顔をしかめて「げ、」と呻き声を上げた。


「こ、これは……!」


嫌な予感というのはやはり的中してしまうもので、カレンは床に手をつき地面に突っ伏したくなった。
令嬢らしからぬ呻き声を上げてしまうくらい、カレンにとってその手紙は受け容れがたく、出来れば黙殺してしまいたい災難そのものだった。


「天下一舞踏会?」


まるでこの世の終わりとでも言うような様子で郵便屋から戻ってきたカレンにリタが声をかけると、返ってきたのがその言葉だった。
アルティナ、レッセとテーブルを囲んでいたリタは、カレンにも席を勧めた。パーティ勢揃いとなったところで、改めてカレンに事情を尋ねる。
とある貴族とはカレンと同じサンマロウ貴族の「ムッシェルアント家」であり、舞踏会の名前は「天下一舞踏会」と言うらしい。天使界で育ったリタにはどちらも聞き慣れない言葉である。


「ムッシェルアント家とはわたくしの実家と同じサンマロウ貴族でして、なかなかの歴史を誇る一族ですのよ」


「まぁなんとなく聞いたことはある……けど……」


レッセもアルティナもその家名を聞き、何とも言いがたい渋い顔をしている。知らないのはリタだけらしい。


「由緒ある有名な家柄ってこと……?」


「あ、いえ、なかなかの歴史というのは長さというよりその強烈な言動の数々が……って、そんなことはどうでも良いのですわ!」


「良いのか?」とはカレン以外のパーティメンバーが思ったことであるし、カレンの発言によりムッシェルアント家という一族の得体の知れ無さが増したものの、ツッコむのはやめておいた。藪をつついて蛇が飛び出すのも恐ろしい。


「そのムッシェルアント家から天下一舞踏会の招待状が届きましたのよ……! 出家したからと安心しておりましたのにまさか個人宛で届くだなんて!!」


カレンはついにテーブルに突っ伏した。そのテーブルには先程届いたという招待状が放り出されている。カレンの了承を得てリタ達はその内容に目を通す。
リタ、レッセ、アルティナの順で回った手紙は最終的にカレンの元へと戻った。
そこには三行で簡潔な文章が綴られている。


『カレンは招待状を受け取った!
天下一舞踏会に参加しますか?
→はい
 いいえ』


「……えっ?」


「ちなみに『いいえ』を選ぶとまた同じ手紙が送られてきて『はい』を選ぶまで繰り返されますわ」


「ループ?!」


「執拗すぎるでしょ!」


「ええ、どこぞ粘着男のようにネチネチねちねちと堪ったものではありませんわ!!」

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:: memo ::


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