仕事は思いのほか順調だった。銀ちゃんも最初は反対してた、すごくしてた…けど、店長にスカウトされたこともあり、銀ちゃんは条件付きでOKしたんだっけ。

"危険な目には合わせないこと"

まぁ、大きく言えばそんなことだろうけど小さいいざこざからも私を守りたかったみたい。もう子供じゃないんだからと銀ちゃんに反抗したが、そんな所が子供だと言われてしまった。

"お金も欲しかったし…私の好きにさせて欲しい"

もちろん心配してくれるのは嬉しいけど、内心そんなことを思っていた。

私のお店は"すまいる"いわゆるキャバクラだ。私はここでキャストとして働いている。

「源氏名ちゃん、御新規1名様お願いします」

ボーイからそう告げられて、見ていたスマホから目を上げた。





「ありがとうございました〜!また来てくださいねぇ」

お客さんにシャンパンを頼んでもらい、ほろ酔いだ。私はドンペリよりシャンパンのが好きでそっちを頼んでもらうことが多い。


「名前ちゃん、お疲れ様」

「お妙ちゃんお疲れ〜」

私のすぐ後に入ってきた、志村妙ちゃんは新撰組のゴリラに気に入られてる。

"え?失礼?酔ってるからかな?"

「今日は新撰組の人来ないの?」

「これから来るらしいわ、マジであのゴリラどうしましょう」

お妙ちゃんは真剣な顔で何かを呟いていた。

「名前ちゃんも席に着いてね」

「え?」

"お妙ちゃんの席だとドンペリ飲まなきゃいけないんだよなぁ"

と、お門違いなことを考えていた。