グリムジョー・ジャガージャックについて_考察

最近読み返していて気づいたことがある。ついったに書ききれなかったからここに残す。

―――グリムジョーって実は、個人的には王様とかそういうの興味ないんじゃね??

小学生の時は、恥ずかしながら私は実はグリムジョーが特別好きではなかった。いや特別好きではないというだけで嫌いじゃないよ???
幼年期に抱いた彼の印象としては、「王になりたい勝気な性格の顔がイケメンな奴」であった。今考えるとそこそこ酷い印象だなオイ。まあともかく、推しにはならなかったのである。

そんな印象を抱いたまま再度BLEACHを読み返した我。そこで気づいたことがある。

―――あれ?グリムジョーって従属官に様付けで呼ばれてないんや…。

そうなのである。些細なことかもしれないが何故か全員グリムジョーを呼び捨てなのだ。
そこで私の中の「王様」の印象とズレを感じたのである。王様といえば家来(この場合従属官)の前でふんぞり返ったり偉そうなことを言ったり命令したりする。グリムジョーは勝気な性格だったし、てっきりそういう奴だと思い出が勝手に作られていた。
―――バラガンやノイトラ、ましてやハリベルの従属官でさえ様付けで自分の主を呼んでいるのにどうしてグリムジョーはシャウロンたちに様付けを強要しないんだろう?
特にバラガンなんかはグリムジョーと同じように「王」とか「神」という「一番」に拘っている。似た思考なのにこの違いはなんだろう。

更に読み進める我。
一護との決着がつく32巻。

ここでギリアンから進化の成り立ちを含んだグリムジョーの回想が入る。

*おさらいとして……アジューカスは同じアジューカスを喰らい続けなければギリアンに退化してしまう。また、一部でも体を喰われたアジューカスはそこで進化を止め、ヴァストローデにはなれない。

アジューカス時代、グリムジョーは単独で生きていた。シャウロンたちとは最初は敵同士のような描写があったが、グリムジョーの強さに敬服したシャウロンが自分たちと手を組むように勧める。そして、自分たちの王になるようグリムジョーを担ぎ上げた。
ところが幾星霜、シャウロンたちは突然進化を諦めると言い出した。俺たちはヴァストローデにはなれないと悟ったと。
「我等はアジューカス、お前はその先へ進む者だと」
そこでグリムジョーは意外なことにがっかりしたような素振り(完全に我の偏見)を見せ、「くだらねえ。俺は行くぜ」とそのまま去ろうとした。しかしシャウロンはそれを引き止める。

「我等を喰って行け」

同じアジューカスに一部でも喰われたアジューカスは二度と進化できなくなる――という言葉が過ぎるグリムジョー。(※この言葉はもしかしたら構成上の都合だったかもしれない)
とはいえこの時点で私は驚いていた。グリムジョーがそのまま去ろうとしたことにである。諦めてしまうシャウロンたちにがっかりして喰らったりとかするものだと思っていたが、そんなことはせずただ静かに一人で生きる道に戻ろうとしたのが意外だった。

そこで回想は一旦終わり一護との戦闘に戻るが、ラストの攻撃の際グリムジョーはシャウロンたちを喰った瞬間を思い出す。

「俺の血肉となってその先を見ろ」

この言葉がどうにも引っかかっている。一護に対して投げかけているように見えるのだが、本当はもういなくなったシャウロンたちに言っているのではないかと思う。
もしかしてグリムジョーはあの時シャウロンたちを喰ってしまったことをすごく気にしているのではないだろうか。
グリムジョーは一時的にせよ彼らの進化を止めてしまったことに対して、何かしらの感情を抱いているのかもしれない。最初に彼らが諦めると言い出したとはいえ、物理的に進化に歯止めをかけたのはグリムジョーなのだ。
とはいえシャウロンたちはグリムジョーに喰われたにも関わらず人型になっているのを鑑みるに、崩玉の力のお陰でヴァストローデになれたと推察できる。そして彼らはグリムジョーの従属官として一緒に生きてきた。
ん?しかし少し待て。キャラブックを確認しよう。

#11 シャウロン・クーファン
#13エドラド・リオネス
#14ナキーム・グリンディーナ
#15イールフォルト・グランツ
#16ディ・ロイ・リンカー
※元#12はグリムジョー

?????????
(#11以上は破面として生まれた順番である。10以下は藍染によって選抜された殺戮能力の高い破面)
ちょっと待てグリムジョー……君あのメンツの中で2番目に破面になったの????シャウロンにお先どうぞってしたの????王のくせに????ヴァストローデに対して拘りはなかったのか????
ここまで来ればグリムジョーが彼らに抱いていた感情は一つだろう。
「ただの仲間」
本当は王とかいう肩書きに興味はない。多分シャウロンたちのことを「対等の仲間」だと思っていた。ただ彼らを喰った責任を感じ、また自分を王として祭り上げた彼らの夢を潰してしまわないように、自分の血肉となった彼らへの「義理」を通すべく王を自称しているのかもしれない。
だからシャウロンたちと出会わなかったらグリムジョーは王だの何だのに興味なんて微塵も湧かず、孤独に生きることに何も感じなかったのかもしれない。


ま、わかんないけどね!
ただの一ファンの妄想だけどね!



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2020/11/06 未分類 
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