記憶
 「   








 「   何でお前がここにいるんだ、敏也?!お前はこのパーティーに招待されていないはずだ!」
 「うるせぇな!!たまたま仕事帰りに寄っただけだよっ!」

 突然響いた怒鳴り声は、小田切警視庁。彼が指差す先にはバンドマンらしい、派手な紫色の髪をした青年がいた。それがきっかけとなり会場はどよめきが起きてしまう。

 「小田切警視庁のご子息の敏也さんです…」
 「ご、ご子息…?!」
 「出て行け!今すぐにだ!!」
 「ま、まあまあ。敏也君も、ゆっくり…」
 「うっせぇな!!すぐに出てってやるよ!!」
 「…敏也さん…!」
 「……チッ、ジャマしたな!!」

 白鳥警部が落ち着かせようと試みるが、怒りで手がつけられない。変わりに佐藤刑事に宥められると、彼はハッとしたように乱暴に出て行ってしまった。

 「あれ…彼女どっかで見たことあるな…」
 「派手なドレスの姉ちゃんやの」
 「誰だったかな〜…確か芸能人だったような…」
 「………」
 「私も見たことあるんだけど…あ、そうだ!風戸先生に診てもらったら思い出すかも!」
 「それ言うたらおっちゃんもやな!」
 「うるせーな!黙っとれお前ら!」

 会場の入り口近くで誰かを見ているような素振りを見せている女性に、小五郎は遠目から思い出そうと必死になって頭を回転させる。そんな様子に、早希と平次はからかって和ませた。


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