フェメールの夜
戦いの後、変身を解かずに着替えて訪れた夜のカフェ。
「ファイターはやっぱり赤なのね」
そうよ、と彼女は笑う。
「私のテーマカラーだもの」
「背中も開いてるし大胆ね」
「たまにはね。いつも着る機会ないし」
「星野の姿で着たら話題になるんじゃない?」
ヒーラーの言葉にファイターは考え込む。
「うーん・・・いややっぱナシだわ」
「いつもカジュアルな服ばかりだからたまには良いかもしれないけどね・・・ちょっと方向性が違いすぎるかしら」
首を傾げてみせるメイカーはネイビーのアーガイル、カフェラテの泡を楽しんでいるヒーラーはグレーのカシミアニットだった。
「ねえヒーラー」
「ん?」
「あなたはあいかわらずスレンダーね・・・羨ましいわ」
「そういうメイカーはメリハリボディのくせに・・・もしかしてまた大きくなった?」
「そうかしら、そんなことないと思うけど」
ファイターは「こんな会話、絶対に男の時じゃしないわね」と笑う。
「そうね、面白いわね」
最近似たような会話をしたことを思い出したヒーラーは黙る。
「どうしたのヒーラー?」
「え?別に・・・」
「そういえばなまえ、最近可愛くなったわよねー」
やっぱり恋って人を変えるのかしら、というファイターの言葉に「さあ」とだけ返す。
「そう思わないの?」
「別に。見慣れてるから分かんない」
「恋人だもの、24時間365日可愛いのよね」
「うるっさいな2人とも・・・そうよ、悪い?」
「ちっとも。毎日見てるの楽しいわ」
「そーよ、気まぐれで好みのうるさいヒーラーのお眼鏡にかなう女の子だもの」
泡はすっかり冷めているのに、カフェラテはまだ熱い。メイカーは「今さらだけどね」と口を開く。
「夜天がが好きなのは愛野さんだと思っていたのよ」
「愛野?なんで?」
「気が合いそうだわ、と思って」
「うーん・・・ナシ。なまえがいるから」
「そうね。でもいい子よ」
「いい子なんてごまんといるもの」
彼女がマネージャーになった時のことを思い出してファイターは苦笑する。
「張り切ってたわよね、一緒に仕事した時。あれで実感したけど、やっぱり学生とアイドルなんて両立するの過酷だわ」
「おまけに戦士もだしね・・・いいかげんちゃんと休まないとすり減るわよ私たち」
はー・・・と3人そろってため息をつく。
「ほんと、こんな時間取れるの貴重よね・・・」
「人気者のつらいとこだわね」
「仕方ないわ、明日からも頑張りましょ。明日は小テストもあるし」
「げ」
「忘れてた・・・」
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