1



新開兄弟の中間子設定。

【その1】

「なまえちゃん!」
悠人の声にぎくっとする。
「信じらんない。こんな時間にインスタントラーメン食べるとか」
「だって・・・お腹すいて寝れないから」
はー、と悠人はため息をつく。そして言った。
「なまえちゃんはオレ寄りだと思ってたのに」
「あ、悠人も食べる?」
「いらない」
バッサリ斬られてしまった。かなしい。
「こんな時間に炭水化物取るとかほんとありえないから。しかも塩分、水分!むくみの原因!」
「うッ・・・!」
正論が刺さりすぎて痛い。
「スイマセン」
「反省した?」
「ハイ・・・」
「じゃ、それどうするの?」
「でも悠人、捨てるのはもったいないよ」
「あのさなまえちゃん、いいこと教えたげようか」
「なに?」
悠人はにっこりと笑った。
「今この家にはどれだけ食ってもスプリントで消費するやつがいます」

***

コンコンコン。
なに?と声が聞こえた。
「隼人くんこれ・・・くっ、食べて・・・!」
「おっいいのか?ヒュウ!ラッキー」
こっそり一口もらった。めちゃくちゃおいしかった。つらい。


【その2】

「スープ作るけど飲む?」
隼人くんの言葉に私は「飲む飲む!」と答えた。
「なにスープ?」
「粉末のコーンスープだよ」
「なんだちゃんと煮るのかと思った」
「はは、ごめんな。そのかわり愛情たっぷり入れるから」
なんだか今のCMみたいだな。まあ隼人くんはかっこいいからオファーが来たっておかしくはない。
「なんてな」
「え?」
「今の、たぶん悠人に言ったらハァ?とか言われちまうんだろうなあ」
ああーと言葉を濁す。あの子、隼人くんには毒舌だからなあ。
「できた。はい」
「ありがとう」
手渡されたマグカップにさっそく口を付けた。しかし、
「ん?」
「どした?」
「なんか、味薄い・・・」
「あ、悪い間違えた!」
「愛が薄いよー」
ごめんごめん、とマグカップが交換される。
「実は言ってなかったんだけどさ・・・オレ、底に溜まったやつすくって食べるの好きなんだ」
「あ、分かる!濃くておいしいよね」
「そうなんだよ。だからなまえに渡したほうは混ぜてないやつなんだ、ごめんな」
「ううん。ていうか私だけかと思ってた」
「なんだ、なまえも?」
「ホット牛乳で作ってもコクがあっておいしいんだよ」
「へえ、それもうまそうだな。今度やってみるよ」
粉わざと残してんの悠人には内緒な、と隼人くんは笑った。
実は悠人もこっそり同じ飲み方をしていることは言わないでおこう。


- 11 -