悠人



結婚ネタ、パパ悠人

「本当にいいの?」
「うん、ちゃんと面倒見てるから」
オレもパパだし、そう言うとなまえさんは「そうだね」と笑う。
「じゃあ行ってきます」
「気をつけてね」
ドアが閉まる。さて。
「あ、」
一人きりにされたのが不満だったのか、小さくぐずる声が聞こえた。
「ごめんごめん、ここにいるよ」
まだ言葉を話さない相手は、大きな瞳でオレを見つめる。てかやっぱめちゃくちゃオレ似だな・・・もう少しなまえさんに似ても良かったんだけど、なんて思いながらぷっくりしたほっぺをつんとつつく。
「!」
小さな手がオレの指をゆるく握ったり離してみたり。
「うお・・・かわい・・・」
マジか、いっつもこんな可愛い反応してんの?えー・・・なまえさんひとり占めずるいなあ。
「すげー可愛いじゃん」
思わずそんな言葉を口にする。これが親バカってヤツなんだろう。しかし、
「あ、えっ?」
突如ぐずり出し、火がついたように泣き出すのを見て面食らう。
「待て待て待て、どーしたどーした」
あわてて抱っこしてリビングを歩き回る。
「ミルク?オムツ・・・じゃないっぽいしな」
その間にも耳元でサイレンのような声が鳴り続ける。ウソだろ、こんな小さな体からこんなでかい声が出るんだ。
「なんで泣くのー、困ったな・・・」
断腸の思いで体から離し、急いでミルクを用意する。
「はいはいはい、ゴメンってば」
いつもなまえさんどうやってあげてたっけ?飲み終わったらゲップさせるんだっけ?
哺乳瓶を口元に持って行くと、ようやく泣き止んだ相手は丸い目でオレを見上げながら食事を始める。
「はあー・・・ごはんだったのか」
すごいなあ、としみじみ感じる。意思疎通ができない相手と過ごすのがこんなに大変だとは。
とにかく今日は思いきり羽根を伸ばしてもらって、それから「いつもありがとう」って伝えよう。


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