新開



結婚ネタ、パパ隼人

ぐずり出す小さな声で目を覚ます。隣ではやっぱりなまえが眠そうな目をこすって起きていた。
「大丈夫、オレが見とくから」
軽く前髪を撫でてベッドに戻るよう促すと、割れんばかりに泣いている相手の小さな体を抱き上げる。
「よしよし、大丈夫」
暗いのが怖くなっちまったのかな、なんて考えながら薄明かりを点けた部屋を散歩する。時計を見れば、深夜を回ったばかりだ。これが夜泣きってやつか。
「はは、おめさん元気だなあ」
海外の拠点から久しぶりに家に戻って、こんなふうに成長を実感させられる瞬間がたくさんある。裏を返せばそれだけ知らないところで大きくなっているってことでもあるんだけど。
「お、蹴るか」
短い手足を思いきり動かして泣きわめくのがなんだか面白い。寝たくもないのに寝ろなんて無理なんだろう。
それにしたって、毎晩付き合うのはかなりきついと思う。家を空けることが多いぶん、なまえには感謝しっぱなしだ。
ようやく寝息が整ったことを確認して、寝室に戻る。静かに眠っている彼女を起こさないようにゆっくりとベビーベッドに降ろし、オレも布団に入る。
「・・・ありがとな」
多分、夢の中にいて聞こえていないんだろう。だけど言いたかった。


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