「や〜〜っとお目覚めか、ねぼすけ」
人がせっかくいい気分で寝てるっていうのにお構いなく聞こえてくる轟音と地震のような振動にイラッとしながら夢の世界から離脱すると、そこには珍しく疲れた顔をしたグラサンが居た。何で寝起き一発目に見る顔がお前なんだよ。硝子が良かったわ。
「……どこここ。つか何で五条と私しか居ないの」
「ンなこと俺が知るかよ」
あ゙〜疲れた、なんて言いながら私が寝ているすぐ隣に倒れ込んできた白髪に寝起き特有の回らない頭で不機嫌を全面に出した顔を向けたのち、上体を起こし視線を上げる。白い壁__先程まで五条が暴れていたと思われる割に傷一つない__に囲まれた小さな部屋。室内に確認できるのは、今まで寝ていた天蓋付きの大きくてふかふかなベッドに、角度的に中身は見えないが何かが入っているらしいカラーボックス。扉は、無い。そして極めつけはカラーボックスの上にきっちりと角を合わせて置かれている一枚の紙。
「セックスしないと出られない部屋ァ?」
「声に出すな」
心底うんざりしたような声で枕に顔を埋める五条を横目に一度停止した脳みそを無理やり動かす。なんだこれは、新手の呪いか?残念ながら私にはここで目覚める直前の記憶は全く無いので断定はできない。横で寝てるデカい小学生については分かってたら既に行動を起こしているだろう。天才らしいので。とにかく出口が無い。イコール出られない。となると本当に指令に従わないと出られないのか?つか誰が?誰と?
「は?」
「あ゙?」
「私が?お前と?」
「……他に誰が居んだよ」
死ぬほど不服そうな声が枕から聞こえてきたがとりあえず無視だ無視。出口が無いと言っても壁を壊せれば出れるのではないか?いや、おそらく私が寝こけている間の轟音と振動からして五条が壁を壊そうとしていたのだろうけど、現状それは叶っていない。つまり特級様の火力でさえどうにもできなかったものが私ごときにどうにかできるわけがないだろう。となると、エッ?ヤるしかないと?マジで?
「マジかぁ……」
「マジ」
頭を抱え、思わず漏れた声にまた枕が喋った。うるさい枕だ。
「腹括るの早かったところに悪いんだけど、多分俺お前じゃ勃たないわ」
「最低」
いや、勃てられてもどんな反応したらいいか分からないけども。……ん?ちょっと待て。同級生のブツの大きさとか考えたくもないんだけど、こいつこの身長だとどのくらいあるんだ。そもそも入るのか?エッ怖……
「ねえ五条、」
「デカいよ」
「まだ何も言ってないじゃん?!」
「だって腹括った後に心配することってそれしかないだろ」
「うっ……」
何か、何かいい案はないか。頭を回せ。ありったけの知恵を出せ。私の貞操を守りきる為に。なにより痛いのは嫌だ。
「あ、閃いた」
「げ……絶対ろくな事じゃないじゃんそれ」
「私が身体改造の術式で生やして五条に挿れればいいんだ」
「はァ?!俺が掘られんの?!やだよ!」
「私だってやだよ!でも五条の絶対痛いじゃん!入らないよ!」
「……うわ、勃った」
「最低」
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2021.2.2