Memo
2018/12/06 23:19
愛が呼ぶほうへ
起
昔の語り
承
高校時代のエピソード夢主サイド
転
高校時代のエピソード降谷サイド
結
夢主がポアロに来店した日の話し
夢主サイド
ずっと好きだった人がいた。
その人は金髪のサラサラとした髪に褐色の肌、青い瞳をしていて、まるで物語に出てくる王子様のような見た目をしていた。
見た目だけではなく、その人は頭も良く運動神経も抜群とまるで神に愛されていると言っても過言では無いほど完璧だった。
そんな彼と私の出会いは小学校に入学した時に、たまたま同じクラスで隣の席になった事がきっかけだった。
なんて事はない出会い。それでも他の子よりも話したり関わることが多く、男女の意識もない小さい時の出会いだった為、すぐに仲良くなり、相性も良かったみたいで彼の隣にいるのは基本私が多かった。
それは中学に上がっても高校に上がっても変わらず、それと同時に私の恋は実る事はないのだと悟った。
そう、彼は……降谷零はずっと横にいる私を意識した事がなかったのだ。
気が向いた時に優しくされたり、ちょっとだけ意地悪をされるのはそれは私が仲の良い友達だから。
そして最近、零の目が学年で一番可愛いと言われている子に目が向いていたのだ。
「#name2#、俺彼女ができたんだ」
「え?」
「だから彼女」
「良かったじゃん! もしかして○○さん?!」
必死に顔が引き攣らないように笑顔を貼り付ける。これは世間では喜ばしい事なんだ。私が一番祝ってあげないと。
とうとう恐れていた事が起こり、傷ついた心を無視すると思考回路はパニックになり謎の使命感さえ出てくる。
いや、単純に私が馬鹿なだけなんだろう。
「そう、学年で一番可愛いって言われてる子」
「さすが零! あ、じゃあ彼女に浮気とか勘違いされたら困るから降谷って呼ぶね」
「あー……。じゃあ俺も#name1#って呼ぶな」
そう言った零の声は心なしか低く、不機嫌な時の声色に感じたがきっと、その光景を思い浮かべたのか、私との関係を勘違いされるのが嫌だったかだろうな、と更に自分で自分の思った事に傷つき落ち込んだ。
「相談に乗れるかは分からないけど、まあ何かあれば言いなよ。れっ、降谷よりは女心は分かるし」
「そういえば#name1#は女だったな」
そういった零に少し力を込めて肩パンして鞄を握り「じゃあ私帰るわ、お幸せに〜」と教室を出る。
「気をつけろよ」と声をかけた零にはいはいと返すように振り向かずに手を降る。
階段を降り、下駄箱で靴を履き替えて家に帰る。
下唇を強く噛んで顔を顰める私の顔はきっと可笑しかっただろう。弟の為に夕飯を作り終わり自分の部屋に入ると、決壊したダムのように涙が溢れ出てきて、それを止めることはできなかった。
この日ばかりは父も母も共働きで夜勤のある仕事に就いていて良かったと思った。
弟にはご飯を作ってすぐに部屋に引き篭もった上に、泣いたまま返事をしたせいで散々心配されたけど。
その時の弟は「姉ちゃん虐められたの?」「大丈夫? 俺が仕返しするから!」と本気で心配して、優しい弟に涙が止まり笑いが一つ溢れる。
普段は憎まれ口しか叩かない弟だが、根は姉思いで弟が私の弟で良かったと思った。
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