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 深い色を湛えた森。ともすれば泉の底を思わせる濃い 胸の奥まで緑色に染まりそうだ。 「Tohmi、そこで何をしているのだ。」 振り返る。 クチナシ色の瞳が此方を見る。 幻術師は、彼女が苦手だった。 「エスミヤン様がお呼びだぞ。」 何を考えているのか読めない。