自己治癒の個性を持つ物間の幼馴染/mha
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私の個性が発現したとき、同じ幼稚園に通っていた子に言われた言葉だ。私の個性≠ヘ『自己治癒』で、その名の通り怪我をしてもすぐに治ってしまうというものだった。しかし『自己』の名の通り、自分の怪我しか治せないため、言ってしまえば没個性≠ニいうものだ。少なからず個性≠ニいうものに憧れを抱いていた私としてはとてもショックを受けて、しばらくは少し塞ぎこんでいた。
しかししばらくして、私は一人の男の子と仲良くなった。家が隣で、親同士も仲が良い、物間寧人くんという男の子。少し自尊心が強くて嫌味なところはあるけど一緒にいて楽しかったので、しばらくは一緒に遊んでいた。その頃まだ寧人くんの個性は発現していなくて、私が発現していると言ったら少し羨ましそうな顔をされた。本人としては、認めたくないようだったのだけど。
しかしまあ、すぐに寧人くんの個性は発現した。他の人の個性を五分間だけ『コピー』してしまえる寧人くんの個性は、没個性≠持ってしまった私にはキラキラとして写って見えて、しばらくはずっと寧人くんに凄いね、と語り続けていた。寧人くんも満更でもなさそうに、得意げにしていた。
「寧人くん、木登りしようよ!」
「ええ、やだよ。佑だけだやれば?」
とある日のこと、寧人くんと公園に遊びに来た時のこと。私は寧人くんを木登りに誘ったが、寧人くんは乗り気ではなくて、断られてしまった。それを寂しく思いつつ、私は一人で木登りを始めた。一番上の枝まで登って、寧人くんに手を振ってあげよう。もしかしたら楽しそうって、寧人くんもやり始めるかもしれない。そう思い、頑張って登った。呆れた顔で木を見上げる寧人くん。一番上の枝まで辿り着いた私は、寧人くんに手を振ろうと、立ち上がった。
「おうい、寧人くーん!」
「っ、ちょ、危ない!! 立つな!!」
「え? …わっ、」
「…!!」
気を抜いた拍子に、足を滑らせて木から落ちてしまった。焦った表情の寧人くんを横目に、私は落ちていく感覚が恐ろしくて、目を閉じた。少ししてから、少しの衝撃。しかしあまり痛みはなくて、代わりに寧人くんの「いってえ!」という声が聞こえた。
「え………、寧人くん…!?」
「この馬鹿佑!! 木の上で立つなんて救いようのない馬鹿!! ってて、」
「っな、なんで…!? ね、寧人くん怪我して……わ、私なら治るから平気なのにっ、寧人くんなおんないのにっ、」
私は寧人くんの行動が信じられなくて、ボロボロと涙を零した。それを見て怒っていた寧人くんはギョッとして、はあ!?と慌て始めた。
「な、何泣いて…! あ、あー、えっと、…あ!」
「…?」
「ほら! もう治ってきてるだろ! 見て!」
「…え、? ほんとだ………な、なんで?」
「今佑に触ったから。ほら、僕はコピーを使えるから、怪我をした時に佑に触れば、勝手に治ってくんだよ」
「…! そ、そっか…! 凄い!! やっぱり寧人くんは凄いね!」
やっぱり寧人くんは凄い。寧人くんの個性は凄い。私の没個性≠フ使い道を、こんな簡単に見つけてしまえるなんて。
寧人くんは自分を犠牲にして私を助けてくれた。そして、その怪我は今、『自己治癒』の個性で治っている。つまり、私にも同じことができるということで。
その日から、自分の個性の使い道を知った私は、『自己犠牲ヒーロー』を目指し始めたのである。
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復至治優(フクシチユ)
自己治癒の個性を持つ物間くんの幼馴染。
自己治癒の名の通りどんなに怪我をしてもすぐ治ってしまう半不死身体質。
デメリットらしいデメリットはないが心臓を攻撃されると流石に死ぬ。首チョンパもダメ。他は大丈夫。
昔からすぐに怪我が治ってしまうので火事とか危ないこととかにすぐに文字通り身を突っ込んじゃう。
その度に物間くんに怒られる。
割と明るめ。でも表情がほぼ変わらないのでよく気持ち悪いって言われる。
物間くん大好き。基本的に物間くん至上主義。
首の半分くらいまでの黒髪。さきっちょがちょっと白くなってる。目は青色でほぼ死んでる感じ。
雄英ヒーロー科一年A組。
最近物間くんに物凄く嫌味を言われる不思議。
耳郎さんとかと仲良くなる、はず。
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