家族の中に、それを見つけた
子供たちの笑い声が響く。
ファーガスの大地が育む命。
紋章を持つ者も、持たない者も、等しく愛しい我が子たち。
「ははっ、今日は一段と元気だな」
「……そうね。怪我しないといいけど」
駆ける我が子を見つめていればシルヴァンの手が肩に置かれる。
「大丈夫だろ。君と俺に似て頑丈だ」
からりと笑ったシルヴァンは隣に座るとディアナの手を取る。
するりと撫でられ、指が絡む。
すっかりと慣れてしまったその温度を払う気にもならなかったディアナは静かに握り返す。
「変なところは似てなきゃいいけど」
「例えば?」
「女癖」
「あー……、それは言いっこなしだろ……。というか、まさか君がそんなこと言うなんて……」
気まずそうに視線を泳がせたシルヴァン、そんな彼の横顔とその後ろで駆ける子供たち。
いつの間にか当たり前になった景色を見つめたディアナは目を細める。
「……わたし、あなたのこと好きなのね」
「は?」
ぱちっと目を瞬かせたシルヴァンが目を見開いてこちらを見る。
そんな顔をされたって、いまやっと気づいたのだからしょうがない。
「いや、待て、今更か? 今更なのか⁉」
「だめ?」
「ダメというか、散々夫婦としていろんなことして、子供だって何人目だと……!」
「それは……最初からそういう話だったでしょう……?」
あなたが望むなら結婚する。子供も産む。
出会った時からの約束で、ディアナにとってはあの時既に決まったことだった。
向けられた疑問の意味がわからず首を傾げたディアナに対し、椅子を跳ねのけるように立ち上がったシルヴァンはそのまま机に向かって倒れ込む。
「いや……、うん……ディアナらしいと言えばそうだけど……」
こちらから言わせれば、全身から力が抜けきっているのに手だけは離れていかないところが彼らしい。
「好きよ、シルヴァン。多分、ずっと、そうだった」
いつ芽生えたのかはわからない。
それでも、この気持ちはきっとずっとこの胸にあったのだ。
自覚がなくても変わらない関係の上で気付いた愛は、すでに心に満ちていた。