羽京ちゃんの耳を攻めたい
羽京との行為はいつも優しく愛を感じる。特に最初は、慣れない私に負担をかけないように、壊れ物を扱うかの様に触れているのが分かった。あぁ、大事にされているんだな、と思えて幸せだった。だから、幾たびか行為を重ねていくうち、余裕とまではいかないが自分の状況を俯瞰して見れるぐらいのゆとりは生まれてきた。
今日も、羽京の部屋で過ごし、そういう雰囲気になった。触れるだけのキスをして、優しい目で見つめられると、それだけで気持ちがいっぱいになる。そんな中、視界の端にほのかに赤く染まった耳が見えて、つい好奇心がくすぐられた。
「なまえ?」
どうしたの、と突然変な方向に目を向けた私に、羽京が心配そうに尋ねてくる。何でもない、と答えてキスをねだるように抱き寄せた。導かれるままに顔が近づいてきて、何度も啄む様なキスが降ってくる。最後に軽いリップ音をならして離れていく頭に手を伸ばし、両手で頭を包んだ。
「えっ!?」
突然の私の暴挙に驚く羽京は無視して、耳を塞ぎながら顔を引き戻し、今度は私からキスをする。混乱しているのか、開いたままだった口に舌を入れた。いつも自分がされている事を思い出しながら舌をのばし、口内をまさぐるも、いつもとは違うそれに違和感を感じる。長さが足りない。羽京にされるときは、もっと口の中いっぱいに攻められていた気がするのに、今の自分は入り口近くの周りを触れているだけだ。比べるとなんだか滑稽で、急に自分がやっていることが恥ずかしく思えてきた。そんな内心を気づかれたくなくって、誤魔化すように舌を動かした。頬の内側をなめあげて、歯の裏をなぞり、舌をなめると、くちゅり、といやらしい音が響く。同時にびくりと羽京の身体が揺れたのが分かった。調子を良くした私は、舌を吸い、口内を荒らし続ける。あまりにびくつく羽京に申し訳なくなった頃合い、最後に唇を甘噛みして、耳を覆っていた手を離した。
「ちょ、なんで」
羞恥に歪む顔に、胸が高鳴ってしまった。普段の行為中も、こんなに顔を真っ赤にしていたのだろうか。私の方が余裕がなくって気づかなかったのかもしれないけれど、初めて見る姿にきゅんとしてしまう。私、実はSだったのだろうか。いつも私を優しくリードする彼の、こんな余裕のない姿をみせられてしまったら、一度収まった気持ちが再び湧き上がってきた。実はさっき、もう1つ試してみたいことを思いついたのだ。
また動き出した私に、今度は警戒した様子を見せる。何か言われる前に、今度は唇とは違う方向に顔を近づけると、何をされるのか察したようだ。静止を促す様に肩を掴まれたけれど、優しい彼には彼女を突き飛ばすなんて芸当はできないようで、私はお構いなしに唇を耳たぶに寄せた。
触れた瞬間、今までで一番大きな反応が返ってきた。そのまま息をかけ、甘噛みをする。彼が「うっ」と堪えるような声をあげ、大きく息を吐くのを聞きながら、そっと中に舌をそわした。ゆっくりと舐めあげかけたところで、身体ごと彼から引き離されてしまった。
残念、ここで終わりの様だ。うつむいて、肩で息をしている彼の表情は伺えない。唯一見える耳が、先ほどより一層赤くなっているのを見て、うれしくなる。
そんなことを考えていたら、どさり、と向かい合わせに座っていた姿勢から、ベッドに押し倒される。その行為はいつも通り優しいはずなのに、なぜかすごい威圧感を感じる。
「怒ってる…?」
「怒ってないよ」
じゃあその張り付けたよう笑顔は何。楽しんでいた気持ちがさーっと冷めていく。先ほどまでとは違う意味で心臓が早なるのを感じた。
「なまえはもう少しこういうことに慣れていないと思ってたよ」
にっこりとした笑顔のまま言われて背中に冷や汗が流れる。いや、慣れてないのは本当です。
「でも、大丈夫そうだね」
何が大丈夫なのか、聞き返す前に唇を塞がれた。あ、喰われる、と直感で悟ると同時に、つい直前までの私のキスがおままごとのような、噛みつかれるようなキスをされた。今夜は長くなりそう、と頭の片隅で諦める自分がいた。
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羽京ちゃんのやる気スイッチonにしちゃった夢主。
この後雄な羽京ちゃんのターンのはずだったけど続きはゲンの消失マジックで消えちゃった。