似たもの同士

今日は雅治とデート。
よし、大丈夫待ち合わせ場所には20分前に着いたし雅治が来るまでそのへんのお店見て回ってよう。

昨晩親友を呼び出しデートの服装を選んでもらい、洗って洗剤の香りが仄かに鼻を霞める。


「雅治もきっと、これで…!」

「誰がどうなるんかのう、てか遥来るの早いぜよ」

「わ、雅治居たの?!いつの間に…」


出た、仁王雅治!私の彼氏…!
服装はラフに決めているも元が良いから何着てもカッコ良いのが憎たらしい。

というか、このお洒落した格好に雅治何も言ってくれないし…!


「ほら、手え出しんしゃい」

「はいっ」


何だかんだ文句言わなくても雅治はエスコートは上手だし、怒るに怒れなくなる。

いつの間にか雅治に手を引かれ雑貨屋へと足を運んでいた。可愛らしい小物からちょっとした服まで売っているお店だ。


「遥、こっちきんしゃい」

「なーに?わ…!」


遥の髪に幾つか物を触れさせては、取っ換え引っ換えして仁王はようやく納得行く物が見つかったのかレジにて購入していた。

お店の外に出ると先程購入した袋を渡される。


「これは俺からのプレゼントぜよ」

「あ、ありがとう…。じゃあ私も雅治にプレゼント買う!」


悩んだ挙句いつも髪の毛を縛っているので可愛い髪ゴムにしてあげようと、結城は気に入ったのを買うとレジにて購入し、店の入口付近で待たせていた仁王へと紙袋を渡す。


「ふふ、開けたまえ…!」

「どれどれ……ははは!随分かわええ髪ゴムやのう」


仁王が開けた紙袋から苺が着いた髪ゴムとシンプルな青色の髪ゴムが出てきた。


「こっちは雅治が家でよく前髪縛ってるからつい…こっちのシンプルなのは、いつもピンクだからたまには青色も良いかなあ…って」

「俺のも開けてみんしゃい」

「ふむ、どれどれ……。苺のピンじゃん…もう、ははは、雅治と同じの買ってきた…あはは」


雅治とまさか似たような物を選んでいるとは知らずに、ある意味私天才なんじゃないかなと変な事を考えては、お互い購入してきた苺の小物を見ては笑う。


「遥、付けてやるぜよ」

「可愛く頼みまっす」

「まかせときんしゃい」


髪の毛を分けて、目の上の方でパチンと音がすると結城は鞄から鏡を出し確認すると苺が前髪に綺麗に付いていた。


「俺のも交換してくれるんやろ?」

「え、苺?青色の方?」

「はは、苺でええよ」


仁王のサラサラの髪を結城は自分の櫛でまとめて、苺の髪ゴムで髪を結う。


「はは、苺ちゃん同士じゃな。俺たち」

「ははは、雅治苺似合ってる」


数日、お互い苺を付けて過ごしていたのは言うまでもない。




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