スプライス
★★★★
〔あらすじ〕
科学者のクライヴとエルサはある企業で遺伝子結合を行っている。
研究は成功し、ジンジャーという雌の個体とフレッドという雄の個体を創造した。
二人はこれを元に人間のDNAを結合した更なる新生物を作ろうと研究するが、企業の会議でこの成果を発表すると、すぐさまそれを中止し、二つの個体を使用した薬物の製造を命じられる。
薬物製造には二つの個体を更に研究しなければならず、そうなれば更なる新生物を生み出すことは出来ない。
出来るとすれば数年後。
あと一歩のところまできているのにここで諦めたくない、と二人は独自に新生物を創造することにした。
しかし、それもすんなりとは進まない。DNAの結合が上手くいかないのだ。そこでエルサは別の人間のDNAで試してみる。すると、結合することが出来た。
そこでひとまず研究は中断。
結合が成功したものは冷凍保存し、数年後、もう一度研究し直そう、となったのだがエルサがそれを卵子に入れて人工胎盤へ着床させようとクライヴを締めだして装置をセットしてしまう。
全ての準備が整ってから部屋に入ることを許されたクライヴは科学の倫理を説き、中断するよう求めるが「細胞分裂してこその成功。それを確かめるだけ」というエルサの言葉を信じて装置のスイッチを入れる。
結果は成功。
細胞分裂を確かめたら終わる筈が、二人とも自らが生み出した生命体を見たくて育ててしまう。
色々ありつつ、新生物が誕生し、それは二人の手によって育てられ、人の遺伝子が入っているためその姿は魚から段々と人間に近付く。
成体へと成長した生物は自然の摂理に乗っ取って行動を始めた。
エルサは昔、自由に生きられなかった。
いつも今は亡き母に見張られ、母の許可するもの以外は取り上げられる為、人形やおもちゃは隠し持っていた。
そのため、実家の農場には苦い思い出しかない。
それでもそこへ赴かねばならなくなった。
エルサによってドレンと名付けられた雌の個体が会社にバレそうになったからだ。
エルサの実家の納屋に身を移したドレンはそこに侵入した猫を飼い始める。
ドレンは驚くべきスピードで成長し、知能も見せ始めた。
ある晩、ドレンはエルサの用意した食事を拒否する。
ドレンは肉食らしく、農場に移ってきた日、二人から逃走してウサギを捕食していたのだ。
だが、それを受け入れないエルサは「ドレンは草食だ」と言い張って食事を押し付ける。
何度も拒否するドレンにエルサが望みを尋ねると、アルファベットのパネルを使い、「退屈、外へ」と言い出す。
当然それが許される筈もなく、エルサはドレンの望みを拒否。
するとドレンは暴れ出した。
その姿にショックを受け、怒るエルサ。
クライヴはそんなエルサをなだめるが、エルサの言葉聞いていたドレンは天窓から逃走。
慌てて二人で追い掛けるとドレンは雪の積もった屋根の上にいた。
こちらへ来るように求める二人を無視したドレンが屋根から落ちる――かと思いきや、ドレンの背中に羽が現れそのまま飛び立ちそうに。
慌てたクライヴはドレンにある言葉を告げる。
「愛してる」
その言葉聞いたドレンは回れ右してクライブに抱き着いた。
はい。
ここまで書けば想像つくと思うけど、クライヴの愛は家族愛だよ。
よくいうじゃない?父親は育ててる内に父性が芽生える的なやつ。あれ。
だけんども、ドレンの思った愛は男女のそれだよー。
ドレンに組み込まれた人の遺伝子、あれ、エルサのなんだ。
だからエルサにとって、ドレンは実の娘。
クライヴはクライヴで、ドレンの中にエルサを感じしまうんですね。
この作品確かR15だったと思う。
まぁ、途中血みどろなシーンがあるからあれだけど、それ以外にもSEXシーンがね……。
しかも暗転して、とかで終わらない。
それまで「こども、娘」として育っていたドレンだったけど、ある晩に見てしまうんだね、クライヴとエルサのSEXシーンを。
それで目覚めたっぽい。
これもわざわざ書いたから分かるね?
クライヴはドレンとヤる。
擁護すると、多分生物としてフェロモン的な物が出てたんだと思うよ。
後々「なんであんなことをしてしまったのか分からん」っていうし。
エルサともしばらくレスだったっぽいよ。
ドレンの世話でエルサが掛かり切りだからね。
それに女の人は育児中はそういう欲も減るというじゃないか。
クライヴもあれだけど、エルサもねー。
あんなに嫌ってた母親と同じことしてる。
納屋で飼ってた猫取り上げちゃうし、ドレンが反抗したらキレて、尻尾(これで刺して毒を入れられる)切り落としちゃうし。
これがきっかけで更に壊れていったね。
ドレンの尻尾切り落としがあってからクライヴがヤるから、ドレンと。
最初は科学者としての倫理とかを説いてたクライヴも尻尾切り落としの件では親としての倫理を問い始めて「あ、こいつ末期やな」ってなりました。
最初、この作品は「科学って怖いだろ」な作品だと思ったの。
でも本当は、というか真に伝えたいことは歪だけど家族の姿なのかなって。
いや、科学って怖い、マッドサイエンスって怖い、ってのもあるだろうけども。
生命の摂理、自然の摂理って、もちろん食とかもあるけど一番でかいのって多分種の存亡だと思う。
ほら、人間もそうだけど動物って普通に子供作るじゃない?
ドレンもそうだよね。
普通に子供っていうか、種族を残したかったからクライヴを誘惑したのかなって。
ラストまでネタバレしておこうか。
最初に二人が作ったジンジャーとフレッド。
株主総会でお披露目するのね。
一繋がりのガラスのケースの左右に分けて入れて間に仕切りを入れてたんだわ。
雌と雄だから会うと触手みたいなのを口から出して絡み合う的なやつがあるんだけど、それをやらせようと仕切りを下げる。
と、どうもおかしい。
クライヴが「仕切りを上げろ」って言ったときにはもう遅くて二匹は殺し合いを始める。(ここが血みどろシーン)
それはジンジャーの性別が変わってて「雄」になってたんだ。
でも誰も気が付いてなくて(一応科学者としてクライヴの弟がいるんだけど、「発情値が下がってきてる」いうセリフがある。でもクライヴはエルサとドレンのことで忙しいから任せちゃうのね。弟は大した科学者ではないのに)雄同士が狭いところに入れられたもんだから喧嘩になった、と。
んで、ドレン。
クライヴとドレンがヤって次の日くらいかな。
二人が訪ねていくとドレンが死にかけてて、結局死んじゃう。
二人で裏庭に埋めて、思い出の品々を燃やしてたら車の音がして外へ。
すると会社の広報的な人と弟が来ていて「新しい生命体を出せ!会社のもんだ!」ってなる。
「会社のものだろうけど、もう死んだ」ってエルサが言うと、なにかの叫び声がしてその、広報的な人が飛行物体に連れ去られる。
で、木の上で殺されてる。
「ドレンが!?死んだんじゃ?」ってなってる二人が屋根の上を見ると羽根を広げたドレンがいる。
でもなんか顔がごつい。
次は弟が連れ去られる。
それをクライヴが追い、クライヴをエルサが追う。
結局、弟は殺されてるっぽいんだけど、今度はクライヴが殺されそうになり(水中に連れ去られる)、エルサが引き上げたもののクライヴはそのまま気を失ってしまう。
水中からドレンが現れ、今度はエルサが逃げる。
でも途中で木に頭をぶつけて倒れるのよ。
そしてドレンが上にのし掛ってくる。
そんでそのまま服を引き裂かれて犯されてしまう。
気が付いたクライヴがエルサの声を追い、助けにくる。
木の棒をドレンだったものに突き刺すも、それは倒れず、反撃に遭うも今度はエルサが石でそれを強打。
とどめを刺そうとしたとき、ドレンだったものが尻尾をクライヴに突き刺す。
エルサは石をそれの頭に振り下ろし、息の根を止めた。
ドレンはジンジャーと同じで雄になってしまったんだね。
その前兆が恐らく仮死。
二人は気付かず埋めてしまったと。
結局生き残りはエルサだけ。
次のシーンは企業の社長さんと話しているシーン。
エルサとクライヴが作ったものは素晴らしくて新薬の製造に役立ちますって話と、このことを他言しないでねって話とお金の話。
エルサは淡々とサインしてしまう。
契約成立で立ち上がったエルサは身重。
契約はエルサの出産する生命体についてだったようだよ。
そうだよ、ドレンだったやつに襲われたときに妊娠したんだよ。
中絶して立ち去っても良いという社長にエルサは「失う物はなにもない」と答える。
これは作中何度か出てくる言葉。
クライヴとのSEXをドレンが見てしまったときも「ゴムないわー」ってなったときにエルサが言ってた。
もうそうだよね、クライヴもいないし、娘だったものもいないし、本当に失う物は何もない状態。
まぁ、先が読めると言えば読めるけど、王道SFファンタジーで面白かったです。
目新しい発見がなかったので星は4ですけど。
スリラー ドラマ 2019/08/20