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「んむ」
「………」
「むっ」
何でこの至近距離で目を開けていられるのか。まさかキスの間ずっとガン見していたというのか。一松怖い。
このまま見つめ続けられるのもキスされ続けるのもどうしようもないので一松の肩を押す。相変わらずの猫背がより迫ってきた。一体どうしたいのかと困惑していると一松の指先が私の目の前に突き出された。そしてそのまま私の鼻を摘む。
「んぶっ」
いやいや、死んじゃうから。鼻も口も塞がれてたら息できないから!抵抗しても意外と力のある目の前の自称無気力で生きる価値のない燃えないゴミはびくともしない。とうとう我慢できなくなって合わさったままだった口を開けたらすぐに何かが割り込んできた。
「ンっ、ぅえ……!」
ぬるっとした生温かいものが舌を滑る。一松の舌だと理解しても鼻は摘まれたままで口を開ける事でしか呼吸ができない。にも関わらず、傍若無人に舌を絡めてくる。だから死ぬ。
上顎を舐められじゅるじゅると音を立てながら舌を吸われる。苦しさのあまり滴る唾液まで飲み込んだ一松の喉が鳴る。嬉しそうにしやがって。そんな文句も出ない。
一松の歯が唇に当たる。そんなにぐいぐいと来られたら切れてしまいそうだ。
「ん、ふ、ぁっ」
舌を掬い上げられて一松の口へと導かれ、そのまま赤ん坊がお乳をねだるように吸われた。段々力が抜けていく。弄ばれるままで、やっと解放されたと思ったら再び一松の舌が捩込まれた。もうどちらのものなのかわからない唾液が顎を伝い落ちる。口内の至る所を愛撫されながらいつの間にか鼻で呼吸が出来ていた事に気付いた。うっすら目を開けると目の前には恍惚とした表情の一松。ずる、と引き抜かれる赤い舌も見えた。
「ぅぷ、はあ……っ」
「はあ、その顔そそる」
「死ぬかと思ったぁ……」
「俺もイクかと思った」
死ね、と呂律の回らない舌で罵ると一松がゾクゾクと震えるのがわかった。
もう、ホントに、どうしようもない。
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