驟雨に沈むは白、ひとつ
花開くような笑みだった
夏蝉、さよならのあとに
ただ君のための恋でした

喰散らかした残滓は甘く
それが君であった故は、
ただ、君が為とは戯言の
音にひそむ優しさに怯え

痛む胸に凝るような甘さ
鏡合わせの痛みは知らず
唯一傷んだ恋の末路さえ
君は何も知らないと笑む

水路を満たす天泣のおり
一身唯一故の破滅を望み
花の水禍は些末なことと
微かに触れた遠心の声音

大切なものはこわしたい
静かに結んだ蝶々の玉糸
其れは音紡ぎのやわい刃
断ち切れた糸を愛でても

哀切と言い切るその故は
水底にたたずむ鈴の音を
凍りつく瞳は星屑のよう
瞳を覆った優しさには、

もう痛みすら忘れている
赤子がにぎる剣のように
殺めたのは錆び付く心臓
肺を犯す声はやさしくて

故に君は優しさだと笑う
忘れてしまえば暖かいよ
愛しているって嘘ばかり
あたたかい舌がうそぶく

夏の残り香に乞うた物は
秋の夜に知った死の味は
君の声が知りたかった、
正夢から覗く声がわらう

砕け散る硝子が赤く咲く
残響する生音の末路さえ
夢路に横たわる貴方すら
やがて咲くうつくしい君
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