「なぁ、俺って割と誰とでもフランクやん?」
「まぁせやな……良い意味でも悪い意味でもフランクやな」
「待って、ちょお待って」


日課である食後に公園でバレーしたの後の帰り道。ちょっと治に相談でもしてみよかと切り出せば、いきなり手厳しい事を言われそうになり、もう言わんでええと治に向かって手のひらを向けて制止させる。けどそんなん知った事やないと治は口を開き、喋りを続けた。


「誰とでも仲良くなれます〜みたいなツムのそのコミュ力俺はええと思うけどや。それが苦手やって奴もおるやろ。なんちゅうか、長所と短所は考えによっちゃ逆転するってやつみたいな。ツムの感じが相手の性格的に合ってれば仲良なれるやろけど、そうやないと無理やってなんのちゃう」
「それ褒めとんの?貶しとんの?」
「どっちも」
「どっちか言うとどっち寄り?」
「んーーー、貶し6割。気に入らんかったりなんやりすると、自分めっちゃ怖いやん。フランクなんにそんなとこあるから無理ってなる人もおんのちゃう?知らんけど」
「知らんけどて!知ってからモノ言えや!めっちゃ傷付くわ!」
「……てか何?なんかあったん」


首を傾げ俺の方を見てくる治に俺はもごもご口籠もらせた。本題の名字名前ん事話そうかと思っとったけど、厭に心に刺さる感じの事を治が言うてくるから言うに言い出せへん。

うーあーと唸りながら持ってたバレーボールで手持ち無沙汰になっとる手を動かし、ハンドリングをする。そんな俺を治は「何やねん、ハッキリしろや」みたいな目でジトッと見てきた。うじうじと煮え切らん俺の態度に治が徐々にイラつき始めとるんがわかる。

それでも言うか言うまいか踏ん切りつかず悩んでいればいつの間にか家に着いとった。治が先に家入ろうとドアノブを回し、そのまま家入るんかと思えば手前で立ち止まって後ろにおる俺に振り返って喋り始めた。


「はぁ……別に言いたないんやったらええけど、その今の態度腹立つからそろそろヤメや」
「言いたない訳ちゃうんやけど、ちょお悩んでてやな」
「なんやねん、ハッキリせぇや」


いつもの俺らと態度逆転しとんな、なんて思いながら、あんな……と言葉を続けて名字名前が俺の頭ん中を占めてきた事、俺にだけつれへん態度取る事、でも俺見て笑うことがある事、ほんでそれに最近何やめっちゃイラついてる事を話した。治は黙って俺の話聞いとって、俺が話し終えたら「玄関で聞く話やなかったな」と家ん中に入ってった。


「なぁサム、どう思う?」


内玄関に入って外用ボールを玄関の脇に置き、靴を靴を脱ぎながら治に回答を求める。先に家に上がり廊下を歩いとった治がくるりとこっちに向いて、せやなぁと少し悩んだ後、口を開いた。


「自分名字名前っちゅー子の事好きなん?それとも気になっとんの?」
「……は?」


治の思いもよらぬ回答に、俺は手に持っていた脱いだ靴をボトッと内玄関の床に落とした。

好きって誰が?気になっとるって誰が?俺が?名字名前を?いやいやいや、ありえへん、つい先日初めて話したクラスメイトを、自分と仲良くしたないと言うてた女を、俺が好き?んなわけあらへんやろ。

けど、治に言われた「好き」の言葉が今の自分の状態にしっくりきとって頭が痛い。言うたら女の子誰でも選べるくらいにモテとる俺が、なんでよりによって名字名前やねん。ちゃうちゃう、これはきっと単にクラスメイトとして仲良うなりたいからのやつや。多分そうや。やから好きとかそんなん……


「いやいやいや、ないやろ」


なんでそうなんねん!ってサムの背中叩いてツッコミを入れ、どっちが先に風呂入るかのジャンケンをもちかけた。










困惑する俺





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