
Bookso beautiful yet terrific.
ウィンターホリデーにもう少しで入りそうな頃、フロイドが退屈そうに廊下を歩いていると学園長室の前で談笑するジャックと若い女性の姿を見つけた。
「ダメじゃん、ウニちゃん。雌を連れ込むなんて」
「は?え!?違っ!!!」
フロイドからの思わぬ指摘にジャックは顔を真っ赤に染めて狼狽える。一方、彼女はジャックの様子に心底おかしそうに笑ってからフロイドに向き直った。
「突然お邪魔してごめんなさい。実は、ジャックくんにスキー場のバイトに来てくれないか頼んでいたの」
「というか、既に学園長には根回ししてるっすよね。強制じゃないですか」
「その方が手っ取り早いし」
彼女の言葉にジャックは溜息を吐いてから頭を掻く。それからフロイドに彼女のことを紹介した。
「この人、俺が子供の頃から世話になってるスキーのインストラクターなんです」
「スキー、ねえ〜」
残念ながらジャックの説明はもうフロイドの耳に入っていなかった。その代わり、フロイドは興味を示したものに対して平然と言ってのけたのだった。
「スキー、俺もやりた〜い!」
「え!?フロイド先輩が!?」
「ね?いいでしょ?」
フロイドがへらりと笑うと、彼女は少しだけ考える。ジャックは当然嫌な予感がした。
「いいよ!ちょうどバイトも欲しかったし」
「よーし!決まり〜!」
「そうと決まれば、早速日程を決めようか」
「オッケー!」
意気投合したように話し始める二人の姿にジャックは顔を真っ青に染める。
「やめてください!!!フロイド先輩はやめた方がいいです!!!マジで頼みます!!!」
その後、ジャックが必死に止めようとしているところを見かけたヴィルが間に入りこの話はなかったことになるのだった。
2022.12.10