Bookso beautiful yet terrific.

 ウィンターホリデーに入ると学園にいるほとんどの生徒が実家へ帰省する。例外の生徒もいるが、極僅かだ。
 だから、とても驚いた。

「よかったー!おまえも出かけちゃったかと思ったわ」

「グリムもちゃんといるな?よし!クリスマスパーティーの準備をしよう!」

 本日はクリスマスイブ。それなのに、オンボロ寮の入口で、実家に帰ったはずのエースとデュースが私服姿でそれぞれ両手に大量の荷物を持ってそこに立って話しているので私は瞬きが止まらない。一方、私の足元にいるグリムはやったー!ご馳走だ!って大はしゃぎしていた。

「よかったね、グリ坊」

「ワシらも気合入れて準備するぞ。ヒヒッ」

私の背後で話を聞いていたゴースト達も嬉しそうにいそいそと準備しに行ってしまう。お邪魔しまーす!と勝手知ったる顔で室内に入って行く親友達を私はまだ状況が飲み込めないまま見送ってしまう。

「子分?どうしたんだゾ?」

 私の様子がおかしいことに気づいたらしいグリムが声をかけてくる。グリムの方に視線を向けると、その瞳には気遣いの色が窺えた。

「おーいグリム?監督生?何してんのー?」

エースの声に私はハッとしてグリムを抱きかかえて急いで後を追いかける。
「みんな、実家に帰ったんじゃないの?」

買ってきた物を談話室のテーブルに広げるエースとデュースに問いかけると、二人がきょとんとした表情を浮かべる。だけど、すぐにああと納得した顔をしてから揃って口を開いた。

「せっかくのクリスマスだし、マブと過ごすのも悪くないかなあと思ってわざわざ来てやったの。感謝しろよ」

「麓の街でクリスマスマーケットもやってるし、パーティーの準備が終わったら一緒に行こう!」

そう言って笑うエースとデュースの姿に私は言葉に詰まる。持つべきものは友達というが、本当にそれだなと思う。

「ありがとう、二人とも。まずは、何から準備する?」

「勿論、ご馳走なんだゾー!!!」

グリムはそればっかりだな、なんて笑いながら三人と一匹でクリスマスパーティーについて段取りを決める。
 私は、エースとデュースが親友で本当に幸せ者だ。

2022.12.24