
Bookso beautiful yet terrific.
ウィンターホリデー明けに登校すると、メインストリートの隅で監督生が寒さに身体を震わせながら立っていた。
「あけましておめでとう。こんなところに突っ立って何している?」
俺が思わず彼女に声をかけると、彼女はパッと表情を明るくさせて俺に向き直る。それから寒さのせいなのか頬をほんのり赤く染めて歯に噛んだ。
「あけましておめでとうございます、ジャミル先輩。実は、その、休み明けは一番にジャミル先輩に会いたいなあと思いまして」
彼女の言葉に俺は絶句する。恥ずかしそうに途切れ途切れに言葉を選んで話す彼女の姿に、もしやと想像を膨らませる。いや、冷静になれ俺。
「何故、俺に?」
「だ、だって、その、」
俺の問いかけに彼女がもじもじとする。え?やっぱり、これって俺の想像通りの展開!?
「わ、私!ジャミル先輩のことが!」
彼女が意を決したように顔を上げて、口を開く。林檎みたいに真っ赤に染まったかわいらしい表情に俺の心臓が激しく高鳴った。何故なら、俺も、彼女のことが。
ピピピと目覚ましの音で目を覚ます。ガバっとベッドから身体を起こすと、そこは熱砂の国にある自分ん家で当然彼女の姿はない。
「夢かよ」
つい一人呟いてベッドに拳を叩きつける。どうせ夢なら最後まで告白してくれよと叫びたい。しかし、俺はハタとなる。確か、今日の夢は初夢というやつだ。それならば、これは縁起が良いのではないか?
悶々と考え込んでいるとバーンと勢いよく部屋の扉が開けられる。ノックもなく勝手に入ってきたカリムは腹立つくらいめっちゃくちゃいい笑顔を浮かべていた。
「おはようジャミル!!!なあなあ聞いてくれよ!!!俺、すっごくいい夢見た!!!初夢だ!!!」
「カリム。珍しく早いじゃないか」
「俺の夢に監督生が出てきてな!」
「無視か。いや、ちょっと待て!監督生!?」
「ウィンターホリデー明けに登校したらメインストリートで監督生が俺のことを待っててくれて!私、カリム先輩のことがって言いながら恥ずかしそうに」
「や、やめろおおお!!!!!」
その後、ウィンターホリデー明けにメインストリートで誰かを待つ監督生に出会したのだが、その相手は俺でもましてやカリムでもなかった。
「よお監督生!おはよー!待った?」
「おはよう監督生。久しぶりだな」
「ううんそんなに待ってないよ。二人とも、おはよう。今年もよろしくね」
彼女が心底嬉しそうに笑いかける相手はエースとデュースだった。
まあ、そうだ。そうだよな、普通に考えて。と、冷静になる俺なのであった。
2023.01.06