
Bookso beautiful yet terrific.
新年を迎えてからの朝は天気が良かった。私は身支度を整えてから庭に出る。寒さにぶるりと肩を震わせつつも初日の出が顔を出す前に急ぎ足で高台に向かう。すると、そこには既に先客がいたらしく、私の足音に反応した彼はパッと私に振り向いた。
「あ!主さんおはよう」
「おはよう乱ちゃん。乱ちゃんも早いね」
「初日の出が見たくて頑張って起きちゃった」
えへへとかわいらしく笑う彼に私は頬を緩めつつ彼の隣に並ぶ。東の空は薄っすらと明るくなっている。
「そうだ!あけましておめでとう。今年もよろしくね、主さん」
彼からの挨拶に年が明けたのだからそうなるかとようやく思い出した私は彼に向き直る。
「こちらこそ。今年もよろしく、乱ちゃん」
頭を下げて挨拶してから顔を上げると彼は満足気に笑顔を浮かべた。
「新年最初に、主さんのことを僕が独り占めできて幸せ」
するりと彼の手が私の手を取って握る。彼は手を繋いだまま東の空に視線を向けた。
「あ!初日の出!」
彼が指さす方向から太陽が顔を出し始める。段々と辺りに存在感を示すそれに私も見惚れた。
「まるで、乱ちゃんの髪色みたいだね」
つい、口にした言葉に彼は私を見上げる。それから僅かに眉を寄せてすぐに下を向いたのだった。
「そういうところだよ。この無自覚さんめ」
2023.01.06