Bookso beautiful yet terrific.

 麓の街に友人達と出かけていた時だった。遠くから呼ばれる声にデュースが振り向き、俺も一緒についデュースの視線の先を見る。すると、向こうから軽やかに走り寄ってくる美少女がいた。ちなみ、エースとエペルは気づかず前を歩き続けている。

「デュース!久しぶり!」

「あ、姐さん!!!ちわっス!!!」

小柄な美少女に向かってデュースが力いっぱい頭を下げる。彼女は即座に苦笑いを浮かべてからデュースに顔を上げるように促した。

「ごめんなさい。友達とお出かけ中だったのに、声かけちゃって」

「出先だろうが応戦中だろうが関係ないです!!!カシラに声をかけられればいつ何処だろうと返事させていただきます!!!」

「相変わらず大袈裟だなあ」

 目の前で仲良く会話する二人に何となく悪い気がして、俺は先を歩くエースとエペルに追いつこうと足を動かす。しかし、それに気づいたらしい彼女がパッとデュースから距離を取り、俺に向き直った。

「この子、悪い子じゃないんです。これからも仲良くしてあげてください」

そう言ってから彼女がすっと頭を下げる。それにあたふたしたデュースは彼女に顔を上げるよう騒いだ。

「ああ、いや。こちらこそ、世話になってるような。たぶん」

彼女に返しながらデュースを見ると、デュースが口を動かした。

「おいジャック!無礼だぞ!姐さんに向かって頭を下げろ!!!」

「は?」

「この御方を誰だと思っているんだ!?薔薇の王国中を騒がせたあの伝説のレディースのカシラだぞ!!!」

デュースの言葉に俺は思わずぽかんと口を開ける。この小柄な美少女が?レディースのトップ?アイドルのセンターの間違いじゃね?

「もうデュースってば大袈裟だなあ。元だよ。今は普通に会社員。誤解されるからやめてよね」

俺の疑問は彼女の言葉によって打ち砕かれた。いや、本当、世の中見た目だけじゃあ分からないものだ。

2023.01.17