
Bookso beautiful yet terrific.
リドルが幼少の頃のことだった。その日、リドルが近所の図書館に行こうと家を出ると、茶色い毛色のふわふわした子猫がリドルの家の前でうろうろとしていた。
「こんなところでどうしたんだい?早くお家へお帰り」
リドルは子猫の前にしゃがみ、声をかける。すると、子猫はリドルを見上げたかと思えば辺りをきょろきょろし始めた。
「何か探し物かな?」
子猫の様子をリドルは観察する。じっと見つめてくるリドルの視線に気がついた子猫は首を傾げる。それから情けなく小さな声でニャーと鳴いてみせた。
「迷子になってしまったんだね。君の飼い主を探してあげたいけど、ボクも図書館に行かないといけないんだ」
リドルの言葉を最後まで聞いた子猫は目を細めてニャーと小さく鳴いた。意味は、リドルにもよく分からないけど。
さて、どうしたものか。リドルがその場から立ち上がった時だった。
「見つけたにゃー。まったく、おみゃーは失敗するくせにすぐ魔法を使いたがるんだから」
やって来たチェーニャが当たり前のように子猫に手を伸ばして抱き上げる。突然のチェーニャの行動にリドルはじとりと視線を向けた。
「君が飼い主かい?子猫に何かあったらどうする。ちゃんと、見てあげないといけないよ」
「飼い主?あー、違う違う。これは子猫じゃないみゃー」
「は?どう見ても子猫じゃないか」
「確かに子猫なんだけどさ」
唐突に、チェーニャが解除魔法を唱える。すると子猫が光に包まれたかと思えばボンッと大きな音が鳴り、その場には茶色い猫耳を生やした女の子が立っていた。
「お兄ちゃん!助かった!ありがとう」
「まったく。おみゃーはまだまだ未熟のくせにユニーク魔法を使いたがって困るにゃ」
「だから練習してるの」
「ほどほどにな」
リドルは目の前で親しげに話す二人の姿に首を傾げる。そんなリドルの様子に気がついたチェーニャは女の子の肩に腕をまわしてニッと笑ったのだった。
「俺の妹。仲良くしてやってくれにゃ」
2023.01.18