Bookso beautiful yet terrific.

 最近、従兄弟からの手紙によく書かれていることがある。なんでも、物凄く純粋で良い子の後輩達に懐かれたらしい。正直、あのアズールの何処に懐く要素があるのだろう。というか、あるわけないじゃん。きっと悪どいことして無理やり従えているのでしょうねと思っていた。後輩くん達に会うまでは。
 予定が特になかったので、休日に麓の街で例の悪どい従兄弟であるアズールと待ち合わせていると、やって来たアズールはまさかの後輩を二人連れていた。

「何悪いことしたの?この子達かわいそうじゃん」

「人聞きの悪いことを言うな。僕がおまえと会う約束してることを話したら、ぜひ行くと言って押しかけて来たんだよ」

私が本当かなあと思いながらアズールを見ると、アズールは心底困ったように眉を寄せる。そんなアズールを遠くから見つめる後輩達の目はきらきらと輝いていた。

「やっぱり!アーシェングロット先輩の従姉妹だけに、知的で綺麗な人ですね!」

さらりと言ってのける黒髪の後輩くんの言葉に私は固まる。だけど、褒められるのも悪い気はしない。

「ありがとう、かな?」

「照れてる場合ですか。相手は元ヤンですよ」

なんてアズールがツッコミを入れるけど、気にしない。
 一方、もう一人の美少女系後輩くんはたまたま会った先輩らしき人に捕まり何処かへ行ってしまった。というか、その先輩っぽい人、あのヴィル・シェーンハイトに似てる気がするのだけど。

「あの!アーシェングロット先輩の従姉妹なら、アーシェングロット先輩の武勇伝とか知ってますよね?僕、ぜひ聞きたいです!!!」

 気がついたら私の側にいた黒髪の後輩くんが物凄い勢いで頭を下げておねだりしてきたではないか。私はちらりとアズールを見る。アズールの顔には、余計なことは言うな!!!と書かれていた。

「そんなにおもしろい話じゃないけどいい?」

「はい!!!ぜひ!!!」

おい!!!とアズールが叫ぶが無視。良い後輩に恵まれたアズールが何だか羨ましく思った。
 ちなみにこのあと、不覚にも私が知らない男達に絡まれてしまうのだけど、黒髪の後輩くんが物凄く悪い言葉で追い払ってくれたのである。その元ヤンっぷりに、まあアズールの後輩だし、ただの良い子なわけないかと納得する私だったのだった。

2023.01.18