
Bookso beautiful yet terrific.
任務を終えて士官学校まで戻る道中、スナイダーが突然足を止めた。スナイダーの一歩後ろを歩いていた私はスナイダーに合わせて歩みを止める。不思議に思ってスナイダーを見上げると、スナイダーはじっと何処かを見つめている。スナイダーの視線の先を辿ると、そこには仲睦まじく手を繋いで歩くカップルの姿があった。
スナイダーのことだから、どうせくだらないと思っているのだろう。そう考えた私は動かないスナイダーの隣をすり抜けて今度は前を歩く。
「おい」
不機嫌そうな声で呼ばれてしまえば、足を止めるしかない。私が渋々スナイダーに振り向くと、スナイダーは眉を寄せて私を見つめてみせた。
「もう少し嬉しそうにしたらどうなんだ?ん?」
「何に対して嬉しそうにしろと?」
「おまえの大好きな俺と一緒に過ごしているんだ。おまえにとっては嬉しくてたまらないだろう」
スナイダーの言葉に今度は私が眉を寄せる番だ。
「特に嬉しくはないかな。任務の帰りだし」
「何故だ?俺はおまえといられるだけで悪くないというのに」
今、スナイダーの口からとんでもない言葉が飛び出した気がするが、相手はあのスナイダーだ。絶対に、他意はない。
「ありがとう。私もスナイダーといるのは悪くないと思う」
やんわりと頬を緩めて返すと、スナイダーが目を丸くする。それからすぐに満足気な表情を浮かべた。
「ほう。つまり、俺とおまえは相思相愛ということだな」
「え?なんでそういう話になるの?」
驚きを露わにさせる私の姿なんぞ気にせず、スナイダーは再び歩き出す。私の隣を追い越す寸前にさっと私の手を取って繋ぐスナイダーはずいぶんとご機嫌良さそうだった。
2023.01.25