
Bookso beautiful yet terrific.
サバナクロー寮生達の勉強会に混ざって談話室にいると、部活帰りらしく運動着を着たままのジャックがやって来た。
「監督生!?一人で来たのか!?グリムはどうした?」
つかつかと足早に私の元へ来たかと思えばすぐに質問してくるジャックに対し、私はノートにペンを走る手を止めて答えた。
「グリムはハーツラビュル寮でアフタヌーンティーしてるよ」
「じゃあ、おまえもそっちに行けばよかっただろ」
「お茶会もいいけど、レオナ先輩に勉強を見てもらえる方がためになるし」
私が示す先には、めんどくさそうな表情を浮かべながらも大勢のサバナクロー寮生達に囲まれて勉強を教えるレオナ先輩がいる。なんでも、先日行われた小テストの点数が、サバナクロー寮生の三分の一が酷いものだったらしい。おかげで私も便乗してレオナ先輩に勉強を見てもらえるのでありがたいけど。
「だからって。俺がいない時に」
ジャックがあからさまに溜息を吐くので私はジャックを見る。すると、私と目が合ったジャックは、ほんの少しだけ考える素振りを見せてから口を開いた。
「女一人で無防備に行くな。サバナクロー寮だけじゃねえ。他の寮もだ」
ほんのりと頬を赤く染めるジャックの姿に、心配してくれたと理解した。思わず、私は嬉しくて小さく笑う。そんな私をジャックが不服そうにじろりと見た。
「さては。反省してねえだろ」
「ジャックが心配してくれるから、つい」
「ぽーっとしてるといつかマジで喰われるぞ」
私が苦笑いを浮かべると、ジャックが呆れたように溜息を吐いた。それから私の頭をくしゃりと優しく撫でてから、ふっと頬を緩ませてみせた。
「まあ、でも。そんなことは俺がさせねえ。おまえのことは、これから先もずっと、俺が守ってやる」
ジャックからの熱烈な言葉に思わず私の顔が赤く染まる。一方、ジャックもまた額まで赤く染めた。
その時、わざとらしい咳払いが物凄く近くて聞こえた。私とジャックが二人揃ってそちらを見ると、いつのまにか側にやって来たらしいレオナ先輩が仁王立ちで私達に視線を向けていた。
「てめーら。ここは今、この俺のとってもありがたい講義中だ。いちゃつくなら余所でやれ」
あ。と思いながら私とジャックは顔を見合わせる。それからお互いに頬を赤く染めたまま笑うのだった。
2023.02.04