
Bookso beautiful yet terrific.
ポムフィオーレ寮の友人達と監督生が談笑しているのを見つけたデュースは足を止めた。
「監督生だったらどれがいい?」
「こっちのドレスも似合うだろうなあ」
うんうんと頷き合う友人達に対し、監督生は眉を寄せつつも軽く笑っている。友人達と監督生の会話の内容が気になったデュースはその輪の中へ足を向けた。
「何の話をしているんだ?」
「おお!デュース!これこれ!」
「ん?」
デュースの質問に友人の一人が開きっぱなしで眺めていた雑誌をデュースに見せてくる。デュースも雑誌のページを覗き込むと、そこにはブライダル特集が組まれていた。
「うちの姉ちゃん、結婚することになってさ。それで、美について俺からアドバイスできないかなと思ってブライダル雑誌買っちゃったわけ」
照れたように笑う友人に、流石美意識の高いポムフィオーレ寮生だとデュースは納得する。
「お姉さんがどういうドレスがいいか、参考までに私にも選んでほしいって頼まれたのはいいんだけど、素敵だなあとは思うけどまだ学生の私にはハードルが高すぎて分からないというか何というか」
監督生が苦笑いを浮かべながら説明を付け足すと、デュースは瞬きをする。そりゃあ、高校生の自分達にウェディングドレスなんぞ実感なさすぎて選べないだろうと思った。それでも、とデュースは首を捻る。目の前にいる監督生の顔をじっと見つめてからすっと指を伸ばしてブライダル雑誌に載る一着のウェディングドレスを示した。
「僕だったら、これがいい」
友人達も監督生もデュースが示したウェディングドレスを揃って見つめる。みんな口々に、デュースのセンスにおお!と声を上げた。
「監督生は何着ても似合うけど、僕はシンプルなデザインの方が監督生の良さを際立たせると思う。ああ、でも。監督生の好みもあるだろうし。いつか、二人で選べたらいいな」
デュースの言葉を聞いた監督生が固まる。一方デュースはおもむろに制服のポケットの中からスマホを取り出し画面を確認した。
「やっべ!!!もうこんな時間だ!僕、クルーウェル先生に呼ばれてるからまたあとで!」
そう言ったデュースが慌ててその場を走り去って行った。
残された友人達は揃って監督生の顔を見る。
「今の、プロポーズじゃね?」
「たぶんな」
「返事どうするの?監督生?」
次々に質問する友人達の言葉に監督生は両手で顔を覆う。耳の先まで真っ赤に染まる監督生の姿をデュースは知らずにいた。
2023.02.04