
Bookso beautiful yet terrific.
好きです。たった一言を伝えたことを後悔した。相手は貴銃士。しかも、元レジスタンスの銃だった人だ。
当時のマスターは貴銃士達のメディックとして奔走していたらしい。噂によると、天使と呼ばれるほど慈愛に満ちた美しい人だったようだ。それなのに、私はきっと元レジスタンスのマスターだった人とは比べられないほどお子様だと思う。だって、伝えてはならない気持ちを勢いで言ってしまうのだから。
キセルは私の告白を聞いてから口を閉ざしていた。私に背を向けて、顔も見せてくれない。あのサングラスの下に隠された表情はどんな色を浮かべているのだろうか。きっと、キセルの素顔は元レジスタンスのマスターなら知っているに違いない。そう思えば思うほど胸の内にドス黒い感情が渦巻いた。
どのくらいの時間が経ったのだろうか。正直、そんなに経過していないと思う。それでも、重苦しいこの空気の中にいるのが居た堪れなかった。
「なんてね!冗談だよ。困らせちゃってごめんなさい。だから、忘れて」
そう言い捨てた私はキセルに背を向けて走ろうと足を踏み出した。しかし、それ以上進むことをキセルが許してくれなかった。走るのと同時に瞬時に腕を掴まれ、驚く間もなく後ろから抱きしめられる。
「バカ野郎。泣くんじゃねえ」
キセルが呟くのと同時に、抱きしめる腕に力が込められていく。
「苦しいのは、俺も同じだ。この想いは、いつか必ず言わせてくれ。俺の全てを曝け出した時に」
キセルの言葉はどういう意味なのだろうか。以前、カールが話していたサングラス関連なのかは分からない。
私はいつのまにか流していた涙を服の袖で乱暴に拭う。それから、好きな人の言葉を信じて頷いたのだった。
2023.02.10